Shift Upのキム・ヒョンテCEOは2026年1月9日、韓国大統領府で開かれた経済報告会に出席。生成AIの活用が、中国ゲーム産業との競争において重要になると強調しました。キム氏は、中国スタジオが1タイトルに1,000〜2,000名もの人員を投入する体制を“人海戦術”と表現し、これに対抗するには「1人が100人分の役割を果たす」必要があると主張しました。一方、AIが雇用を奪うという見方については否定的な考えを示しています。
「1人が100人分」——人員差を埋めるためのAI活用
キム氏が語ったのは、開発者一人ひとりの生産性を高める必要性です。韓国メディアInvenの報道によると、同氏は次のように述べています。
「すべての人員を動員しても足りない状況で、その人々が全員AIを使いこなし、1人が100人の役割を果たせるようになってようやく、中国や米国のような大規模人員投入産業に対抗できる」
この発言で同氏は、中国ゲームスタジオが1タイトルあたり1,000〜2,000名規模の人員を配置する例を挙げ、こうした状況を「人海戦術」と表現(GNN報道)。この人員差への解決策として、同氏はAIツールを使いこなして生産性を上げることを挙げています。
なおAUTOMATON・Eurogamerは「100人分」と伝えている一方、GamerBravesは「数十人分(dozens of people)」と報じており、媒体によって表現にばらつきが見られます。
「雇用を奪うとは考えていない」——AIは生産性を高める手段
雇用への影響についてもキム氏は触れています。Invenによると、同氏は「AIが広まると人々が職を失うと考える向きもあるが、我々はそうは考えていない」と述べました。
GamerBravesは、キム氏がAIによる雇用喪失への懸念を認めつつも、「AIが労働者をそっくり置き換えるという考えをはっきり否定した」と報じています。同氏の説明によれば、AIは少人数のチームが大きな組織と渡り合うための「生産性を何倍にもする道具」という位置づけです。
海外売上80%——Shift Upが直面する競争の現実
キム氏がAI活用を訴える背景には、Shift Upが置かれた競争環境があります。同社は売上の約80%を海外市場から得ており、海外に出ればまず競い合う相手は中国のゲームタイトルだとキム氏は述べています(Inven報道)。
人員の差は歴然としています。同氏によると、Shift Upが1タイトルに投入する開発者は約150名。一方、中国スタジオは同じ規模のプロジェクトに1,000〜2,000名を配置しています。この差がコンテンツの質と量の両面で開きを生んでいると同氏は説明しました。
韓国のAI活用の可能性——GPT課金率は世界2位
韓国の強みについてもキム氏は言及しています。韓国ではGPTの有料課金率がダウンロード数に対して米国に次ぐ世界2位であり、若い世代がAIを当たり前の道具として使いこなしている表れだと同氏は話しています。
Shift Up社内でも、定年が近い年齢層がAIを使ったワークフローに慣れることで、若手と変わらない力を発揮するようになったとキム氏は述べています。こうした状況を踏まえ、同氏は「AIネイティブ世代」を育てることが韓国のクリエイティブ産業にとって重要だとの考えを示しました。
なお同日の報告会では、崔輝英(チェ・フィヨン)文化体育観光部長官が、中小ゲームスタジオ向けにAIサービスの利用料を支援する予算を今年から確保する方針を明らかにしています。
※本記事はInven、AUTOMATON、Eurogamer、GamerBravesの報道をもとに構成しています。発言内容は各メディアの報道に基づくものであり、直接取材によるものではありません。なおAUTOMATONは自社の翻訳について、機械翻訳に基づく部分があると注記しています。
出典
- Inven:시프트업 김형태 “中 2천 명 인해전술, 일당백 해야 생존”
- AUTOMATON:Stellar Blade director says using AI will be essential for competing with overwhelming manpower of China and US developers
- Eurogamer:Stellar Blade director goes all-in on AI as South Korea’s games industry looks to compete on the global stage
- GamerBraves:Shift Up CEO Kim Hyung-tae Says Generative AI Is Essential to Compete With China’s Gaming Industry
- KTV国民放送:2026년 경제성장전략 대한민국 경제大도약 원년(※報告会映像。発言の詳細は各メディア報道に依拠)




