Steam新作ゲーム、25ドル超の価格設定が「難しくなっている」との調査結果

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Steamのベストセラー新作では、この約2年半で「安価なタイトル」が以前よりも多くなっています。ゲーム市場の分析を専門とするGameDiscoverCoが2023年2月から2025年10月までのデータを調べたところ、価格の中央値が14〜20%下落していることが分かりました。一方で平均価格はほぼ横ばいで、安価なヒット作の本数が増えていることを示唆する結果となっています。

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Steamベストセラー新作、価格の中央値が約2年半で最大20%下落

今回の調査は、2023年2月から2025年10月までの約2年8か月にわたり、Steamで毎月リリースされる新作のうち、フリープレイを除く販売本数トップ50を対象に、発売から1か月間の売上データを追跡したものです。

結果として、価格の中央値が14〜20%下がっていました。一方で平均価格はほぼ横ばいです。このことから、GameDiscoverCoは「高価格帯のタイトルは残ったまま、安い価格帯のヒット作が増えたことで“真ん中”が引き下げられている」と分析しています。

この傾向が目立ち始めたのは2023年後半ごろとされます。たとえば2024年3月には、『Content Warning』や『Buckshot Roulette』といった10ドル未満のタイトルが、調査期間全体の累計販売本数トップ10に食い込んでいます。

安いゲームと高いゲームの「二極化」が進行

レポートでは、売れ筋タイトルの価格帯は大きく二つに分かれつつあるとしています。20ドル未満は「手頃で試しに買いやすい」価格帯とされ、ローグライクやヴァンサバ系など、繰り返し遊べるインディーの多くがここに入ります。

一方で、60〜70ドルの価格帯には大手パブリッシャーのメガフランチャイズが並びます。GameDiscoverCoは、知名度の高いシリーズ作品であれば、この価格帯でも十分に支持を集めていると指摘しています。

「25ドル超の新規IP」が選ばれにくくなっている理由

では、その中間にあたる価格帯はどうか。GameDiscoverCoは、特に「新規IPで、深い戦略ゲームでもなく、実績あるチームの作品でもない場合、25ドル超の価格設定はトリッキーになってきている」と分析しています。

同社はその理由として、10〜15ドルで長く遊べるインディーが増えた結果、プレイヤーが中価格帯の新作を「それより高いぶんの価値があるかどうか」で見るようになっている点と、60〜70ドルを払うなら知名度の高い大作を選ぶという選択肢もある点を挙げています。中間の価格帯は、安価インディーとフルプライス大作の両方と比較される立場になっている、という整理です。

なお、レポートはもう一つの「圧力」にも触れています。多くの旧作がセール時には50〜90%オフになることも多く、プレイヤーにとっては「まだ遊んでいない旧作」も実質的な選択肢になっています。新作は、安い新作だけでなく、安くなった旧作とも競争しているわけです。

ただし、こうした分析はあくまでSteam新作トップセラーのデータに基づく一つの見方であり、市場全体を断定するものではないと、レポート側も念押ししています。

出典

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