米ゲームメディアGame Informerは、『ドラゴンクエスト7 リイマジンド』のプロデューサー市川毅氏とディレクター八木正人氏に東京でインタビューを実施しました。2013年の3DS版に続く2度目のリメイクとなる本作で、開発陣はシリーズ屈指の「ダークな物語」をどう扱ったのでしょうか。その方針が明らかになりました。
シリーズ異端の「暗さ」が『ドラクエ7』の核である理由
『ドラゴンクエスト7』は、シリーズの中でも異質な作品として知られています。冒険の舞台となる島々には、それぞれ重いテーマが用意されています。登場人物たちが報われない結末を迎えることも珍しくありません。
ディレクターの八木正人氏は、原作をプレイした当時の印象をこう振り返ります。「これは本当にドラゴンクエストなのか?と思った」。シリーズには心温まる物語が多いですが、『7』はそれとは一線を画す暗さを持っていました。プロデューサーの市川毅氏も「その暗さはリメイクでも絶対に残したかった」と語っており、物語のトーンを維持することが、このリメイクの軸になっていると分かります。
キーファの決断──開発チームが「残す」と決めた理由
物語の核心に関わる要素についても、開発チーム内では議論が行われました。パーティーメンバーの一人であるキーファが下す重大な決断は、原作プレイヤーの記憶に強く刻まれているエピソードです。
八木氏によれば、この展開を残すかどうかは開発初期に検討されたといいます。しかし最終的には「物語に不可欠すぎる」と判断し、維持することが決まりました。ただし、そのまま残すのではなく、細かい調整やアレンジは加えられています。変えるべきところは変え、変えてはいけないところは守る。そのバランス感覚は、「リイマジンド(Reimagined)」という名称にも重なって見えます。
何を変え、物語の”核”はどこまで守ったか
2013年には3DS版リメイクが発売され、遊びやすくなったという声も多く聞かれました。今作『リイマジンド』では、さらに踏み込んだ再構築が行われています。八木氏は「全体的なゲーム体験をより没入感のあるものにしたかった」と語り、そのためにシナリオの整理やバトルへの調整が加えられたことを明かしました。
市川氏は、タイトルに「リメイク」ではなく「リイマジンド」を選んだ理由についてこう説明します。「シナリオ以外は、すべてゼロから作り直した。その意図を伝えるには”Reimagined”が最も適切だと感じた」。ビジュアル、バトル、そしてゲーム体験の設計は一新されました。しかし、物語の核──あの暗さと重さ──は、意図的に守られています。








