『FFVII リメイク』最終作はマルチ化でもクオリティは落ちない──浜口直樹氏が語る「PS5はミドルレンジ、PCがハイエンド基準」の真意

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『ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード』のNintendo Switch 2/Xbox Series X|S版が2026年1月22日に発売されて以降、マルチプラットフォーム化による三部作目のグラフィック品質低下を懸念する声がSNSで見られています。AUTOMATONのインタビューに応じた浜口直樹ディレクターは、こうした懸念に対し技術的な根拠をもって回答しました。同氏によると、3Dアセットの制作はPCを基準に最高品質で行い、各プラットフォームに最適化する「リダクション」という設計思想を採用しており、マルチ化がハイエンド環境の品質に影響することは「基本的にない」とのことです。

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PS5/PS5 Proは社内で「ミドルレンジ」扱い

浜口氏はインタビューの中で、開発チーム内でのプラットフォームの位置づけについて踏み込んだ説明をしています。

「PS5とかPS5 Proって、我々の扱いとしてはミドルレンジのプラットフォームに設定されているんですよ。なので、ハイエンドPCと比べると、テクスチャのサイズも1.5~2.0倍くらい違ったり、メッシュの読み込みも1.5~2.0倍ぐらい違って、ポリゴンの描画数で言えば3倍以上違ったりして、これぐらい差があるんです。」 ——AUTOMATON(浜口直樹氏インタビュー)より

この発言はPS5の性能を否定する趣旨ではなく、ハイエンドPC環境を最上位とした社内の相対的な位置づけを説明したものです。現在ローンチ済みのプラットフォームのうちロースペック向けに調整されているのはSteam Deckであり、PS5と比べると半分以下の基準になると浜口氏は補足しています。

こうしたPC環境とコンソールの品質差は、すでにシリーズ2作目でも確認されています。『ファイナルファンタジーVII リバース』PC版(2025年1月発売)では、PS5版にはない高解像度の3Dモデルやテクスチャが用意され、ライティング調整による光表現の向上や120fps対応も実現されました。

PCリードの「リダクション」設計とは

浜口氏が説明した開発設計の核心は、最もハイエンドなPC環境を基準にアセットを制作し、そこから各プラットフォームの性能に合わせて調整していくという手法です。

「基本的なデータ設計として、低い基準に合わせるのではなく、さらにハイエンド向けにアセットを作っています。それを我々はリダクションといって、それぞれのプラットフォームに適したところまでアセットレベルを調整してチューニングするという設計になっています。」 ——AUTOMATON(浜口直樹氏インタビュー)より

浜口氏はこの設計思想について「近年のゲームの開発環境としては、比較的一般的な考え方」であるとも述べています。また、単純にクオリティを下げるだけでは意図した表現ができない場合があり、人の目で確認してイメージ通りになるよう調整しているとのことです。

CPU・RAM・ROMでもマルチ化の影響は限定的

GPU以外の3項目についても、浜口氏は個別に説明しました。

ROMについて、Nintendo Switch 2のパッケージ版はキーカードでのダウンロード方式を採用しており、カートリッジに収めるためにデータを小さくする必要はないとのことです。RAMについては、Nintendo Switch 2のメモリは潤沢でゲームが作りやすいプラットフォームだと評価しました。一方、Xbox Series Sはメモリが他のハードと比べると少なく移植難易度が高いものの、プラットフォームごとにチューニングで対応しており、他のプラットフォームが制約を受けることはないと説明しています。

CPUに関しては、PS4やNintendo Switch 2、Xbox Series Sで30fpsで動作すればハイエンド環境では60fpsを出せるという設計方針を採用。ハイエンドのCPUで30fps前提にギリギリまで使い切る設計はしておらず、CPU余力があるハードではNPCの人数など密度の部分をスケーリングさせる手法を取っていると述べました。

移植部隊は独立、三作目は「遊べる状態」に到達

開発リソースの観点では、浜口氏のチーム内に移植専用の部隊が存在し、三部作目の開発チームとは別で立ち上げていると説明しました。移植作業が三部作目の開発に影響を及ぼす構造にはなっていません。

三作目の開発状況については「非常に順調に進んでいます」と浜口氏は述べています。開発当初に設定したスケジュールやマイルストーンにほぼオンタイムであり、ゲームとしてはもう遊べる状態まで到達しているとのことです。現在は最後の追い込みとして作り込みを継続しているフェーズにあり、「そんなに遠くないタイミングで、皆さんに何かしら情報発信できる場が来るだろうなと思います」と語りました。ただし、これは公式な発表時期の確定ではなく、浜口氏個人の見通しです。

マルチプラットフォーム化については、対応プラットフォームの拡大による売上増を予測し、開発予算やリソースを上乗せできるとの考えも浜口氏は示しました。なお、シリーズ2作目の『ファイナルファンタジーVII リバース』Switch 2/Xbox Series X|S版は2026年6月3日に発売予定です。

※本記事はAUTOMATONの報道をもとに、関連情報を加えて再構成しています

出典

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