Xbox幹部「最大の競合はTikTok」NYタイムズ紙インタビューで発言

Halo: Campaign EvolvedのMaster Chief。Xbox 24年独占終了でPlayStation 5に2026年初展開
Xbox象徴のMaster ChiefがPS5へ

Xboxのゲームコンテンツ・スタジオ部門責任者Matt Booty氏は10月26日、NYタイムズ紙で「最大の競合は他のコンソールではなく、TikTokや映画だ」と発言しました。マルチプラットフォーム戦略を推進する中での競争観の変化を示すものです。

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Xbox幹部が競争観を転換「最大の競合はゲーム機ではない」

Matt Booty氏はNew York Times紙のインタビューで、Microsoftのマルチプラットフォーム戦略について説明しました。消費者がゲームをプレイするデバイスへの強い愛着を持たなくなったことを背景に、「私たちは皆、プレイヤーがいる場所でゲームを提供しようとしています」と同氏は述べています。

「もはや最大の競合は他のゲーム機ではありません。TikTokから映画まで、あらゆる娯楽と競争しているのです」とBooty氏は語りました。この発言は、ゲーム業界の競争が従来のゲーム機同士の争いから、ユーザーの時間(TikTokや映画など)をめぐる競争へと変化していることを示しています。

25年間Xbox独占のHaloシリーズが初のPlayStation展開へ

Microsoftは2026年にHalo: Combat Evolvedのリメイク版「Halo: Campaign Evolved」を発売すると発表しました。初代発売から25周年となる記念タイトルとして、Xbox Series X|S、PlayStation 5、PC向けに発売予定です。2001年の初代Xbox発売以来、Haloは4世代にわたってXboxコンソールの販売を牽引してきた象徴的なタイトルです。「Gears of War」や「Forza Horizon 5」に続き、2025年12月には「Microsoft Flight Simulator」もPlayStationで展開予定です。

新バージョンではUnreal Engine 5で環境が再構築され、キャンペーンは初めて4人でのオンライン協力プレイに対応します。ただし、オリジナル版の対戦マルチプレイヤーモードは含まれません。Halo Studios責任者のPierre Hintze氏は「私たちはゲーム体験を進化させています」と述べ、現代の技術で当初の芸術的ビジョンを表現できるようになったと説明しています。

マルチプラットフォーム戦略の背景にコンソール販売不振

Xbox Series X|Sの販売台数は少なくとも3200万台と推定され、PlayStation 5の約8000万台と比較して大きく差をつけられています。ニューヨーク大学教授で市場アナリストのJoost van Dreunen氏は「ゲーム機市場では、Xboxはいつも脇役止まりで、主役になったことがありません」と評価しています。

Microsoftは2025年夏に約9000人の従業員をレイオフし、多くがXbox関連のゲームスタジオからでした。Booty氏は「レイオフはつらいものです。ですが、それも事業運営の一部なのです」とコメントしています。また同社は直近、Xbox Game Pass Ultimateの価格を50%引き上げ、コスト削減と収益向上の圧力が高まっていることを示しています。

この戦略転換の背景には、Microsoftが690億ドルでActivision Blizzardを、75億ドルでZeniMax Mediaを買収した巨額投資の回収圧力もあります。報道によると、Call of Duty: Black Ops 6をGame Passに含めたことで約3億ドルの売上を失ったとされ、収益確保が急務となっています。

まとめ

Xboxのマルチプラットフォーム戦略は、従来のコンソール独占モデルからの大きな転換を示しています。Gears of WarやForza Horizon 5に続き、最も象徴的なHaloシリーズもPlayStationで展開されることになりました。2025年4月から7月の期間、PlayStation 5の売上トップ10のうち6タイトルがMicrosoft作品だったという実績も報告されています。この戦略転換により、Microsoftは新たな収益源を確保しつつ、より多くのプレイヤーにリーチすることを目指しています。

出典

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