『ペルソナ3/4/5』スタッフによる完全新作ファンタジーRPG『メタファー:リファンタジオ』PS5/PS4/Steam版が正式発表。開発陣インタビュー映像もお披露目

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アトラスは、『ペルソナ3』『ペルソナ4』『ペルソナ5』のディレクター橋野桂氏、キャラクターデザイナー副島成記氏、コンポーザー目黒将司氏らが贈る完全新作ファンタジーRPG『メタファー:リファンタジオ』。本作の公式特番「アトラス完全新作ファンタジーRPG『メタファー:リファンタジオ』発表記念特番 ~帰ってきた!?ストーカー倶楽部~」にて、先行発表されたXbox Series/Windows版に加えて、PS5/PS4/Steamでもリリースすることを正式に発表しました。2024年に全世界同時発売とのことです。

ディレクター橋野桂氏、キャラクターデザイナー副島成記氏、そしてコンポーザー目黒将司氏のインタビュー映像も公開されたのでご紹介します。なお、インタビュー内容を書き起こしたので、テキストで読みたい方は下記を御覧ください。

ディレクター橋野桂氏

かなり前になるんですけど『Project Re FANTASY』っていう名前で立ち上げたプロジェクトがようやく形になって、皆さんにお見せできることになりました。『ペルソナ5』は結構世界的にも評価いただいて、アトラスと言えば『メガテン』と『ペルソナ』が2大RPGとしてユーザーの皆さんには知っていただいてるんですけど、これを機に、まぁ3本目の矢じゃないですけど、僕らとしては実は初めてとなる本格ファンタジー大型RPGですね、これをちょっとやってみたいかなと思って立ち上げました。元々アトラスは何で現代劇をずっとやってきたのかって言うと、周辺にはもちろんファンタジーRPGがたくさんあって、それに対してその現代を舞台にしたRPGがあってもいいだろうということで、カウンターカルチャーというか、流行りのものに対して我々はこういう独自の舞台設定で行くっていうので作ってきたんですけど、そんな我々があえてファンタジーに挑む流れの中で、どういう風にすれば他のRPGと差別化できて、尚且つファンタジーの本質を…本質ができてるかどうか分からないけれども、しっかりその幻想とは何かを考えて作品作りができるかってところにこだわって作ろうとしたのが、この『メタファー』というゲームです。

■『メタファー』に込めた意味とは?

「メタファー」は、“隠された比喩”っていうような意味なんですけど、今までずっと現代劇を作ってきて、我々ならではの何か切り口みたいなものをやっぱり入れないと、もうたくさんあるわけじゃないですか?ファンタジーRPG、ファンタジーフランチャイズは。やっぱり『メガテン』とか『ペルソナ』とかで培ってきたテーマ性だったりとか、あるいは現実を生きる人たちとすごくそのテーマ的にリンクしているいろんな工夫だとか、そういったものを存分に盛り込みたい なと思って。なので、ちょっと恥ずかしげもなく『メタファー』とタイトル にしようかなと思いました。

■真の幻想世界とは?

ファンタジーとか幻想の作品っていうのはどういうものなんだろうっていう風に結構思い悩んだ時期が初期の頃にすごくあって、その時に幻想文学の入門書とかもたくさん読んだんですけど、その中の一節に「幻想っていうのは絵空事の世界を楽しむものだけではなくて、この今の現実はこのままじゃなくてもいい かもしれないって思えるような、その確認をするために幻想世界ってものを味わうんだ」っていうような一説を見てすごく感銘を受けて、そういう捉え方であればアトラスらしい、我々らしいファンタジーRPGが作れるかなと思って、基本それを基軸にするならばどういうシナリオがいいのかとか、どういう登場人物がいいのか、どんな力を主人公たちに持たせて戦わせればいいのか、物語の最終的な結末はどんなものじゃなきゃいけないのかってところがすぐ見えてきて、そのあたりにすごくこだわって作っています。

■物語の世界観について

西洋中世を舞台にしたファンタジーっていう作り方で始めたんですけど、そのままだとやっぱり単なる王道ファンタジーになってしまうので、やっぱり我々ならではの切り口として、現代人がその舞台は幻想世界でこことは違うどこかなんだけれども、ちょっと自分たちに関係があるんじゃないかと思われるような物語の構造だったりとか、ギミックだったりとかを、エッセンスとして存分に入れているってところが世界観の特徴になります。これまでアトラスでRPG作っていく中で、まあすごく基軸っていうか、ベースにするテーマ性みたいなものを大事にしながら作ってきたんですけど、一つキーワードとしては「不安への向き合い方」みたいなものを取り入れています。もう原始時代から人が人として生きる上で必ず、生理的な感情として不安ってのはあるんですけど、その不安にどう向き合うかで立ち止まってしまったりとか、交代してしまったりとか、あるいはその不安をどう捉えるかで前進ができたりとか、すごく人にとって基本的な感情なんですけど、その取り扱い方によっていろんなところに新しい未知なる場所に行ける原動力となる感情でもあるのかなという風に思って、それを今回の『メタファー』の基本のテーマとして使っています。なので、不安というとすごいシンプルなテーマなんですけど、シンプルだからこそ、ゲームをプレイし終わった後に、すごく異世界で楽しかったけど、今までと変わらない現実がまた待ってるって言うんじゃなくて、現実を生きていく上で何か応援されてるような、ちょっとでもいいのでそういった後押しになるような体験になれば、すごくエンタメとしてはリッチなものになると思うし、アトラスのRPG作品としての作り方は全然変えていないし、新しいジャンルで皆様に体験してもらって楽しんでもらえたらなという思いで作りました。

キャラクターデザイン副島成記氏

今回の主人公は今までの現代劇では描けなかったようなニュアンスのキャラクターも描いてみたいというのがありまして、イメージとしては結構中性的でヒロイックな感じの主人公ですね。これから事を成すんだっていうような、力強い眼差しみたいなものは入れたいなって感じてデザインしてます。で、もう一つその「ガリカ」っていう妖精が主人公と常に一緒にいるんですけれども、ファンタジーとしての、そのアイコンと言いますか、表現するために描いているんですけれども、ガリカのデザインはどちらかというと現代劇寄りの描き方をしているんですね。で、そのガリカを描くことによって、その後にキャラクターのそのデザインにおけるノリと言うんですかね?そういったものを探っていって、ガリカが切っ掛けで、その後キャラクターデザインがスムーズに続けられるようになった経緯があります。

■アトラスらしさへの挑戦

もちろん西洋ファンタジー…例えば甲冑であったりとか、ああいったもののカッコ良さっていうのがあるので、そういったものも存分に入れたいと思うんですけれども、逆にファンタジーというジャンルに縛られすぎると、自分たちの持ってるものが出しづらくなっているような気が途中でしたんですね。作っているうちに、ファンタジーっていうジャンルを再解釈するというんですかね、自分たちだったらこういったものにするっていう、今まで自分たちがどういうクリエイティブをしてきたのかっていうのを 、改めて話もしましたし、自分でも再認識をして、どういった形で、例えばキャラクターの衣装であったりとかも、単純に中世の…例えばヨーロッパとか西洋のものを持ってくるというよりは、もっと近代…例えば一部、60年代ぐらいのファッションのスタイルであったりとか、そういったもののシルエットが合うんじゃないか、スタイリッシュになるんじゃないかっていうような発想で入れてみたりとかですね。主に背景の処理が絵画調になっているのが多分パッと見た手触りとして一番特徴的なのかなと思うんですけれども、それはやっぱり描かれる街並みであったりとか、そういったものをファンタジックに見せたいっていう意図もありつつ、片やキャラクターデザインは独創的なものを盛り込んでいるといったものを、どういうふうに融合させていくのかっていうのは苦労したところですし、一つ見どころなのかなと思います。

■アトラスファンへメッセージ

自分たちが作るからには守らなければいけないというか、期待されているものに答えなければいけないっていうところがどこなのかっていうのを、改めて再認識しながら作ったタイトルだと思うんですね。なのでデザインの中ではアトラスらしさというか、我々らしさっていうものは、それ以前に例えばペルソナシリーズなどでデザインに期待されていた部分ですね。例えばインターフェースのスタイリッシュさであるとか、キャラクターの造形であるとか、既存のタイトルで皆さんが期待してくださっていた部分を、今回同じような部分で期待に応えられるように盛り込んでいます。ファンタジーって言われて想像する好きな部分というのはもちろん我々も好きなのでふんだんに盛り込んでいますし、アトラスの特有のタイトルが持っている魅力っていうものが、期待されるものに応える部分っていうのもちゃんと盛り込んでいる作品になっていると思います。続報を楽しみにしていただければと思います。

コンポーザー目黒将司氏

初めて『メタファー』のお話をいただいた時は、王道のファンタジーRPGということで、オーケストラがワッと鳴って、僕が今まであまり作ってこなかったような曲調で作れるのかなと思って、すごく楽しみにしていたと同時に、やっぱりアトラスの作品としては、オーケストラが鳴っただけではちょっと済まされないのかなっていう不安もありつつ、楽しみっていう気持ちでいっぱいでした。

■今回の世界観はどのように作った?

楽曲自体は宗教音楽をコンセプトに、それを王道のRPGとどうやって融合させるか、アトラスの作品として求められてる案というか、ちょっと毛色の変わった感じも出しつつ、宗教音楽も出しつつ、そして王道のファンタジーも感じさせるような曲ということで、頑張って作りました。

宗教音楽というコンセプトにあったもので、賛美歌的なコーラスがあったり、ラップではないですけども、それに近いニュアンスのものを入れてみたりとか、そういうのが少し毛色の変わったアトラスらしさのある王道ファンタジーの音楽かなと思って、そこを突き詰めて作った感じですかね。

■ゲーム音楽の効果と意味について

僕自身、ゲーム音楽っていうのは、ゲームの世界の画面の中のRPGの世界から、プレイヤーの間にあるものがゲーム音楽なのかなと思っていて、弦の世界観も表してはいるんですけども、もちろんそこの中に、そのゲームの音楽が世界の中で鳴ってるわけではないので、ユーザーインターフェースとかと同じ扱いがゲームの音楽なのかと思っています。橋野さんとも話していて、その世界でキャラクターの脳内で鳴っている音楽ともリンクする音楽を作っていこうっていう話もあったりで、今回はちょっと今まで作っていたゲーム音楽とは、心構えというか考え方が少し違った形になっていると思いますね。

■アトラスファン、RPGファンへメッセージ

まだ絶賛制作中というか、まだ足りない部分をもっとブラッシュアップして、アトラスらしいというか、名を汚さないような曲作りとして、まだまだブラッシュアップしているところです。楽しみにしてくださってる皆さんも、ぜひ僕の苦労がようやく結晶して良いものができると期待してください。

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