『バイオハザード レクイエム』に登場するレオンは、『バイオハザード RE:4』から約20年が経過した”アラフィフ”の姿で描かれます。ディレクターの中西晃史氏によると、社内の女性ファンから「首のシワひとつ」にまで厳しいチェックが入り、開発を通じて洗練されていったとのこと。本作は2026年2月27日にNintendo Switch 2、PS5、Xbox Series X|S、Steamで発売予定です。
“アラフィフ”レオンの造形——「首のシワ」まで社内チェック
本作のレオンは『バイオハザード RE:4』から約20年が経過した「アラフィフ」の状態。「2026年現在、レオンがどうなっているのかを掘り下げようというのが制作のスタート地点だった」と中西晃史ディレクターはファミ通.comのインタビューで説明しています。
長年戦い続けても世界が平和にならない中、「やり続ける意味があるのだろうか」という虚無感を抱えている部分があるのではないか。こうした設定を踏まえ、危機に直面しても余裕を持って戦える強さと背負っている重さを象徴する武器として、斧が選ばれました。
ビジュアル面では、社内の女性ファンから「首のシワひとつ」にまで厳しいチェックが入り、開発を通じて洗練されていったといいます。「結果として男性でもキュンとするようなビジュアルになった」と中西ディレクターは振り返っています。
レオン編の設計——攻撃的な戦闘とスープレックス不採用の理由
レオン編は複数の敵と戦うことを想定した設計です。蹴りで敵を振り向かせて隙を作る、周囲の敵を巻き込むといった戦略が求められます。アタッシェケースはグレースより大きく、「あえて極端にしている」と中西ディレクターは話します。
『RE:4』にあったスープレックスなどの派手なプロレス技は本作では採用されていません。同氏によれば、強力な技があると緊張感が弱まるため、ゲームバランス面での判断とのことです。
グレース編——”オールドバイオ”回帰とリソース管理
中西ディレクターによると、グレース編は「オールドバイオスタイル」を採用しています。敵を全部倒す前提ではなく、少ないリソースでマップを徐々に広げていくゲーム性です。
敵への対処は複数の選択肢があります。ハンドガン、ナイフ、新アイテム「破血アンプル」のいずれを使うか、あるいはゾンビの特性を利用してやり過ごすか。体術は「突き飛ばし」で、敵を倒すためではなく距離を取るための設計です。
成長要素については、すべての強化を行っても「急にレオン並みのパワーになることはない」と中西ディレクターは話しています。あくまで「ゾンビを避けつつ、何とか生き延びる」というコンセプトは維持されます。
アイテム管理について、中西ディレクターは次のように語りました。
「『この鍵を手に入れたからあの場所に行こう』、『この辺りに敵がいたから回復アイテムを持っていこう』、『敵を倒した場所だからもうこれは要らないだろう』など、旅行の計画のように持っていくものを選ぶのが、ゲームに慣れるにつれておもしろみになっていきますし、計算通りにいったときの達成感も味わえます。これは、昔ながらの『バイオ』の要素として取り入れていますね」 ——ファミ通.comより
カバンは拡張可能で、進行に伴いシビアさは緩和されるといいます。
「別ゲーム級」を目指した2人主人公の設計思想
中西ディレクターは本作の設計思想について次のように語っています。
「本作はふたつのまったく異なるゲームを並べてやろう、という意識で作っていたのですが、じつはそれに対して僕の中で疑念はあったんです。主人公それぞれでシステムの違うゲームにプレイヤーが戸惑うんじゃないか、集中できないんじゃないか……という不安があったのですが、いざ作ってみたらすごくいいものになりまして。いままでなかった体験になっていると思います」 ——ファミ通.comより
完成後は「いままでなかった体験になっている」と述べています。グレース編は少ないリソースで生き延びる設計、レオン編は複数の敵と戦う攻撃的な設計と、2人の主人公で体験が大きく異なります。
ゾンビAIの個性化——専用ボイス約100件の作り込み
本作ではゾンビに個性を持たせる設計が取り入れられています。各ゾンビが持つ特性を利用してやり過ごすことも可能で、開発側では「シナジー」と呼ぶ連携要素も取り入れられました。
生前の習慣を受け継ぐゾンビも登場します。「電気は消しましょう」と言いながら電気を消すゾンビなど、プレイヤーの予想外の行動を取ることで「こいつはいったい何なんだろう」と想像させる設計です。
普通のゾンビにも専用ボイスが用意されており、その数は「全部で100件くらいはある」と中西ディレクターは語っています。
調整には苦労があったとのこと。ゾンビのAIが想定外の音に反応しすぎる問題や、特徴を付けることで「ネタ的におもしろくなってしまう」問題があり、見た目・動き・ボイスなど複数の角度から丁寧に調整したと話しています。
2人の主人公が共有する空間と今後の要素
グレースとレオンがアイテムボックスを通じてアイテムをやり取りする機能は実装されていません。中西ディレクターによると、アイデア自体はあったものの「プレイヤーが管理する情報が複雑になりすぎた」ため見送られました。
ただ、グレースが探索した場所にレオンが後から訪れると、置いてあるアイテムが残っていたり、グレースでは倒さなかったゾンビをレオンで倒せるといった要素はあります。「ふたりのキャラクターが同じ空間を共有していることによる絡み」が本作のポイントのひとつだと中西ディレクターは述べています。
視点は一人称と三人称を切り替え可能で、どちらを選んでもゲーム体験は同じになるよう調整されています。本編クリア後のやり込み要素についても「長く遊べる仕組みを用意している」とのことですが、詳細は公開されていません。



