スクエニHD、純利益予想を118億円下方修正。海外組織再編で特別損失

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株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングスは11月6日、2026年3月期通期の連結純利益予想を、従来の287億円から169億円(前期比30.8%減)へ下方修正すると発表しました。海外組織の再編に伴い、合計で約118億円の特別損失を計上することが主な理由です。売上高および営業利益の予想は据え置かれています。

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スクエニHD、26年3月期は減益予想へ転換

スクウェア・エニックス・ホールディングス(以下、スクエニHD)が11月6日に開示した情報によると、2026年3月期の通期連結業績予想が修正されました。売上高は2,800億円、営業利益は410億円とする従来予想は維持されたものの、親会社株主に帰属する当期純利益のみが下方修正の対象となりました。

これにより、純利益予想は従来計画の287億円から118億円減少し、169億円(前期比30.8%減)となる見通しです。当初の増益予想から減益予想へと転じた形です。

海外組織再編で118億円の特別損失を計上

今回の下方修正は、海外組織全体のあり方を見直すことに伴う「組織再編費用」を特別損失として計上するためです。損失額の合計は約118億円にのぼり、これが純利益を減少させる要因となります。

この特別損失は段階的に計上されます。内訳として、2025年9月30日までの中間期決算ですでに約98億円が計上済みであり、さらに2025年10月1日以降の第3四半期以降にも約20億円を追加で計上する予定であることが明かされています。

経営方針は「マーケットイン型」へ転換

スクエニHDは今回の組織再編の背景について、海外市場の重要性の高まりや、AIの加速度的な進化といった事業環境の変化に対応するためと説明しています。これまでのプロダクトアウト型の開発体制から、より市場のニーズを重視する「マーケットイン型」への転換を進めるとしています。

この再編は、特にデジタルエンタテインメント事業における経営方針の転換を明確に示すものです。公式発表からは、主に以下の目的が読み取れます。

  • 開発体制の「マーケットイン型」への転換
  • グローバルで統合されたマーケティング戦略の推進
  • より効率的かつ柔軟な組織運営の実現

中間決算は減収も営業利益28.8%増

同日に発表された2026年3月期の中間決算(2025年4月1日~9月30日)では、売上高が前年同期比15.0%減の1,338億9,500万円となりました。HD(High-Definition)ゲームにおいて、前年に「キングダム ハーツ」シリーズの過去作Steam版等を発売した反動で、新作タイトルからの売上が減少したことなどが影響しました。

その一方で、営業利益は前年同期比28.8%増の272億7,800万円と大幅な増益を達成しています。これは、開発費の償却負担や広告宣伝費が前年から減少したことによるもので、売上が減少する中でも収益性を改善させる結果となりました。純利益は特別損失の計上により、前年同期比14.5%減の100億5,200万円となっています。

株式分割後の配当予想は据え置き

スクエニHDは、今回の業績予想修正後も、配当予想に変更はないとしています。同社は2025年10月1日付で普通株式1株を3株に分割しており、分割後ベースでの2026年3月期の期末配当は、1株あたり25円の予定です。なお、株式分割を考慮しない場合は75.00円となります。

出典

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