任天堂、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)、Microsoftは2026年1月14日、共同安全原則「Safer Gaming」の更新版を発表しました。新たな原則文では、法執行機関への通知について「違法行為を観察した場合」または「プレイヤーが切迫した危害のリスクにあると信じる場合」という条件が設けられています。また「すべてのデータの倫理的使用」や「熟練した人の監督のもとでの技術展開」もうたわれました。ただし具体的な技術名やデータの収集範囲までは書かれていません。
法執行機関への通知——「観察」と「切迫した危害への確信」が条件
更新された原則のうち、Responsibility(責任)セクションには法執行機関への通知に関する記述があります。原則文の該当箇所は以下のとおりです。
「違法行為を観察した場合、またはプレイヤーが切迫した危害のリスクにあると当社が信じる場合、当社は法執行機関に速やかに通知します」 ——Xbox Wire掲載の共同原則より
ここでは通知の条件として「違法行為を観察した場合(if we observe unlawful conduct)」と「切迫した危害のリスクがあると信じる場合(where we believe a player is at risk of imminent harm)」の2つが挙げられています。つまり無条件で通報するのではなく、特定の状況に限った対応という位置づけです。
あわせて3社は「事業を行うすべての地域で適用される法律を守り、法執行機関からの正当な要請に応じる」とも述べています。
データ倫理と人の監督——具体的な範囲は書かれていない
同じくResponsibilityセクションには、データの取り扱いや技術展開についての方針も含まれています。
「当社はすべてのデータの倫理的使用を含む責任ある透明な実践に取り組み、熟練した人の監督のもとでプロセス強化技術を展開します」 ——Nintendo.com掲載の共同原則より
原則文には「すべてのデータの倫理的使用(the ethical use of all data)」という表現がありますが、どんな種類のデータを集めるのか、その範囲はどこまでかといった定義は見当たりません。「プロセス強化技術(process enhancement technologies)」についても同様で、具体的にどのような技術を指すのかは明らかにされていません。
はっきり書かれているのは、こうした技術を「熟練した人の監督(skilled human oversight)」のもとで使うという点です。人の目を介在させる方針が打ち出された形になっています。
3社の協調は2020年から——Tech Coalitionにも参加
任天堂・SIE・Microsoftによる安全原則の共同策定は、2020年の初回発表から続いています。今回の発表文には「2020年に共同コミットメントを初めて発表して以来、舞台裏で任天堂およびSIEと協力してきた」との説明がありました。
原則全体はPrevention(予防)、Partnership(連携)、Responsibility(責任)という3つの柱で構成されています。このうちPartnershipセクションでは、子どもの安全に取り組む業界団体「Tech Coalition」と、その情報共有プログラム「Lantern」への参加が明記されました。ほかにも「Family Online Safety Institute」や「Thriving in Games Group」といった団体との連携が記されています。
ペアレンタルコントロールと透明性——Prevention原則の概要
Preventionセクションでは、プレイヤーや保護者に向けた機能の方針が示されています。3社は「プレイヤーがゲーム体験をカスタマイズできるコントロールを提供する」としたうえで、保護者には「子どもに合ったゲーム体験を設定するために必要なツールと情報を届ける」と記しています。
安全機能については「役に立つためには、使いやすく分かりやすいものでなければならない」という考えを示しました。その案内はプラットフォーム、サポート窓口、ウェブサイト、小売店を通じて行うとのことです。
※本記事は原則文の記載内容をもとに構成しています。実際の運用や技術の詳細については原則文に記載がありません。
出典
- Xbox Wire:An Update to Our Shared Commitment to Safer Gaming
- Nintendo.com:An Update to Our Shared Commitment to Safer Gaming
- Xbox Family Hub:Our Shared Commitment to Safer Gaming



