FF7リメイク三部作、浜口Dが明かした「未履修プレイヤーへの配慮」——表現の線引きに悩んだ開発経緯

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『ファイナルファンタジーVII』リメイク三部作のディレクター浜口直樹氏が、スピンオフ未履修のプレイヤーを意識した作りについて語りました。コンピレーション由来のキャラクターを、どこまで説明すれば魅力が伝わるのか——「表現の線引き」に悩んだと振り返っています。インタビューからは、スピンオフ要素を取り込みつつ“置いていかれない見せ方”を探っていた開発姿勢がうかがえます。

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「未履修でも魅力に気付けるように」——表現の線引きへの悩み

2025年12月、浜口直樹ディレクターはComic Fiesta 2025でGamerBravesのインタビューに応じました。その中で、スピンオフ要素をどこまで、どう扱うかについて悩みがあったと振り返っています。

「コンピレーションで出てきたキャラクターを、どこまで背景を説明して、今回のリメイク作品で登場させれば、仮にキャラクターを知らないユーザーであっても、そのキャラクターの魅力に気付いてもらえるか? みたいな、その表現の線引きっていうところは悩んだところはあります」

原作だけをプレイし、その後のスピンオフを追っていないプレイヤーは少なくありません。浜口氏の発言は、そうした層を置き去りにしない「見せ方」を検討していたことを示すものです。焦点は「入れる/入れない」ではなく、「どう見せれば魅力が伝わるか」という表現上の工夫にあったと言えるでしょう。

葛藤を経たうえで、踏襲の意義については次のように述べています。

「結果としてやっぱり、スピンオフとか含めたコンピレーションで、例えばシスネとかもそうですけど、非常に人気のキャラクターが多く生まれている作品なので、それも含めて踏襲してあげることで、今回のリメイク作品がより多くのFF7のファンの方々に届けられるという意味では、非常に意味のあることだなと考えています」

『クライシス コア』に登場するシスネを例に挙げ、コンピレーション由来の人気キャラクターを取り込むことで、より幅広い層へ届けられるという認識を示しました。

背景にあるコンピレーション踏襲の方針

こうした「表現の線引き」の悩みは、そもそもリメイク三部作がコンピレーション全体を踏襲する方針で進められてきたことに起因します。同インタビューで浜口氏は、開発方針についても詳しく説明しました。

「このFF7リメイクシリーズというのは、原作をただリメイクするだけではなくて、これまでのコンピレーションの作品も含めた世界観を全部、踏襲していくというか、受け取った状態でのリメイク作品にしようというところが、まず方針というか、やりたいこととしてありました」

コンピレーションには『クライシス コア ファイナルファンタジーVII』『ダージュ オブ ケルベロス ファイナルファンタジーVII』、映画『アドベントチルドレン』などが含まれます。浜口氏によれば、この方針は野村哲也クリエイティブディレクター、北瀬佳範プロデューサーとの間でも共有されていたとのことです。

原作(1997年)だけでなく、その後に展開された関連作品の世界観も受け継いだうえでリメイクを制作する——。プロジェクト発足時から、こうした姿勢が共通認識として置かれていたことになります。

「アドベントチルドレンにリンクする」——北瀬Pの先行発言

浜口氏が語ったコンピレーション踏襲の方針は、北瀬佳範プロデューサーの過去発言とも合わせて読むことができます。

2023年11月、GamesRadarの取材に対し、北瀬氏は三部作の着地点について語りました。この発言はEurogamerも報じています。

「最終的にアドベントチルドレンにリンクします。ACはcanon(正史)の一部になります。全体のストーリーラインや展開が、最終的にACに繋がらないような大きな逸脱はしません」

2005年公開のCG映画『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』は、原作の2年後を描いた作品です。北瀬氏の発言は、三部作が最終的に同作と整合するよう調整していく方針を示したものといえるでしょう。

なお、Eurogamerによれば、野村哲也クリエイティブディレクターも以前The Guardianに対して同趣旨の発言をしていたとされています。

三部作が目指す方向性

浜口氏が語った「コンピレーション踏襲」と、北瀬氏が示した「ACへのリンク」。これらは別々のインタビューで語られたものであり、両者の関係について開発側が直接説明しているわけではありません。

ただ、二つの発言を並べてみると、三部作が「FF7という作品を単体の再現ではなく、シリーズ全体の文脈で再構成しようとしている」という方向性が浮かび上がってきます。原作を1997年にプレイした世代にとっては、スピンオフ群を踏まえた物語がACという「その後」へ接続するという構図が見えてきたともいえるでしょう。

一方でスピンオフ未履修のプレイヤーにとっては、浜口氏の「表現の線引きに悩んだ」という発言が参考になるかもしれません。少なくとも、未履修者を意識した“見せ方”を検討していたことがうかがえます。

三部作完結編で、これらの方針がどのように結実するのか。今後の続報を待ちたいところです。

出典

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