[E3 2018]『Ghost of Tsushima』昼夜サイクルや動的な天候変化の実装、3万枚もの落ち葉が人の動作で舞い上がる、実際の風景を元にロケーションを制作など、開発における様々なこだわりが判明

スポンサーリンク

E3 2018会場において、『Ghost of Tsushima(仮称)』開発陣との質疑応答が実施され、そこから様々な情報が明らかとなっています。

<詳細は以下へ>

スポンサーリンク

開発者 質疑応答より

侍のオープンワールドゲームを開発しようと考えたのはなぜですか?

侍の世界はオープンワールドにピッタリ。各地を歩き回り、いろいろな人を助ける。そんな世界観を表現したいと考えた。

日本国内において、元寇は戦国時代などに比べてメジャーではありません。それを題材として選んだ理由は?

理由は複数ある。第一に、対馬は島だからオープンワールドゲームの舞台として理想的。第二に、日本に対して初めて火薬の武器が使われたという象徴的な戦いだから。そして最後に、大規模なモンゴル軍が襲来しているため、たくさんの敵をバッサバッサと斬り伏せられるから。ジンは自分の故郷を守るために敵は誰を斬っても構わない。

ただし、モンゴル軍をただ悪役にしているわけではない。モンゴル軍にも誇りを持ってゲームを作る必要があったので、そこはひとつのチャレンジになった。

侍のゲームを作るうえで、侍文化のリサーチにどれくらいの時間を費やしたのでしょうか。

最初にこのゲームを作ると決めたときは、映画や小説からインスピレーションを受けていた。実際に制作が決定して、たくさんの勉強をしたし、日本のSIEスタッフと一緒に対馬を取材して元寇で何が起こったかを詳しく知ることができた。とくに印象に残っているのは刀の博物館。刀がどのようにして作られるのか、鍔とは何か、たくさんのことを学んだ。

私たちSucker Punch Productionsが、ソニーファミリーの一員であることは本当にラッキーだった。日本のSIEスタッフがいることで、日本文化の認識に対するフィードバックをもらい、当時の侍の戦術を知っている専門家にも会え、立ち回りや姿勢などを教えてもらえた。それらをゲームに反映することで、まるで鎌倉時代にタイムスリップしたような世界を作り出せた。

東洋では忠誠心などが尊重されるように、ヒロイズムの定義は東洋と西洋で違いがあると思います。そのバランスについて、どのように考えましたか?

まずは私たちでストーリーを作り、それを歴史に詳しい専門家に確認してもらい、実際との齟齬がないようにフィードバックを受けた。できるかぎり早くフィードバックを反映し、再度チェックしてもらうということを繰り返した。

どんなゲームも制作に時間を要するが、自分たちと異なる文化のゲームを作ることは、さらに多くの時間が必要。繰り返しになるが、ソニーファミリーの一員だったことで、そのやり取りを早くできたのはとても幸運。

タイトルにある「Ghost」に込めた意味を教えてください。

侍が自分自身の存在や戦闘スタイルを変化させ“対馬の亡霊”としての姿にならなければならないことを描きたかった。戦闘シーンの一部では隠密のような動きをしているが、これは通常の侍の戦い方ではない。しかし、ジンはそうやって変化し、目的を果たそうとしている。

ゲーム内における島の状況は? モンゴル軍に侵攻された対馬に、人々の村は残っているのでしょうか。

モンゴル軍は対馬を占領し、島民を苦しめている。本作の物語はオリジナルのフィクションであり、史実をもとにインスピレーションを受けながらも、歴史そのままに作ったわけではない。実際のモンゴル軍は対馬を蹂躙し、長く占領することはなかったが、その史実からインスピレーションを受けてオリジナルの物語を形成した。

モンゴル軍は、鎌倉時代の日本になかった戦術を持ち、海を越えて突然やってきた。ジンは伝統的な侍の戦術では対抗することができないと考え、自分自身の戦術にイノベーションを起こし、いろいろな戦術を生み出した。

ジンの目的は、対馬の村々を解放することなのでしょうか。

一番の目的は、モンゴル軍を対馬から撤退させること。たった1人で始める戦いだが、“対馬の亡霊”になるに連れ伝説と化していく彼の存在が、やがて島民を奮い立たせていく。

マサコとジンはどんな関係でしょうか。

ゲームの雰囲気や表現の仕方を理解してもらために、今回のデモでマサコを見せることができてよかったと思っている。マサコは、本当はとても良い心を持っているが、モンゴルの侵攻による辛い状況の中で誤った道に進みそうになっている。それをジンが正しい道へと引き戻す。

ゲーム中に登場する寺院や風景は、歴史上存在するものを再現しているのでしょうか。

実際の対馬にあった風景にインスパイアされており、コピーではないが実在したものをもとに表現している。鳥居が海に続く、和多都美(わだつみ)神社に似たロケーションも登場する。実在する美しい風景を、どれだけゲームに盛り込み、どんなストーリーを持たせるか。私たちにとって、とても野心的なチャレンジになっている。

キャラクターの豊かな表情が印象的でした。ゲームエンジンでこだわったところはありますか?

『inFAMOUS Second Son』でも使っているスタジオ独自のエンジンをコアとして、パーティクルの表現などを進化させている。例えば、地面には3万もの落ち葉があり、人物の動作で舞い上がったり雨でドロドロになったり、さまざまな表現ができる。長く使って慣れ親しんだエンジンだが、「ツシマエンジン」とでも名付けましょうか(笑)。

本作の時間や天候の概念について教えてください。

時間の概念は現実世界と異なり、ゲームの中の時間の早さで進む。また、昼夜の移り変わりだけでなく、天候も自然と変化する。今回のデモプレイで見せた「不帰(かえらず)の森」は暗い雰囲気で天候もどんよりとしていたが、ほかにも光り輝く日中のシーンもある。

とても多くの戦闘シーンがありましたが、オープンワールドゲームということであれば、プレイヤーが戦いたくないと思えば戦闘を回避することもできるのでしょうか。

本作の世界は非常に広大であり、プレイヤーが望めばたくさんの戦闘を行なえる。ただし、戦闘以外の要素もたくさん盛り込まれている。自然の美しさなど、この世界にプレイヤーが完全に没入し、自分がどこにいるか忘れてしまうような感覚を味わってほしい。

登場する敵は人間だけでしょうか。それともモンスターのような敵もいるのでしょうか?

『inFAMOUS』では体からレーザーを出すようなキャラクターを作ってきたが、このゲームはリアリティをもとにしており、モンスターや化け物は存在しない。タイトルにある「Ghost」もモンスターではなく、リアルな人間。モンゴルの侵攻で生き残った侍が、今度は亡霊となりモンゴル軍に復讐する存在と化す。

刀や弓矢以外にも、いろいろな武器が登場するのでしょうか。

武器について、今はまだ詳しく話せない。

戦闘でスローモーションになるシーンがありました。あれは特殊な操作やスキルの一種でしょうか?

剣術のスキルを磨くことでスローモーションを発動できるようになる。つまり、キャラクターの成長要素もあるということ。

一撃で敵を倒していたのもスキルのひとつでしょうか。

ゲームプレイトレーラーや今回のデモでは、ユーザーインターフェースをあえて非表示にして、ゲームの世界観に没頭してもらうようにした。通常のゲームプレイでは、できるだけ必要最低限のUIが表示されることになる。ただ、実際のバトルシステムについての詳細は、またの機会に明らかにする。

関連リンク

 ・PlayStation.Blog

タイトルとURLをコピーしました