『メトロイドプライム4』砂漠エリアとバイクは「開発資源の無駄」。旧3部作の元技術責任者が批判

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『メトロイドプライム』旧3部作でリード技術エンジニアを務めたJack Mathews氏が、『メトロイドプライム4 ビヨンド』に登場する砂漠エリア「ソルバレイ」と、そこで使用するバイク「ヴァイオラ」を厳しく批判している。氏の見立ては明快だ。ソルバレイには従来のシリーズにはなかった技術が必要で、しかもその成果をほかのエリアへ転用しにくい。そのために開発資源が分散し、ゲームのほかの部分に投入できたはずの人員や時間が奪われた、というのが氏の見方だ。

Mathews氏は10月26日に公開されたKiwi Talkzのインタビューで、この問題を技術面と制作進行の両面から語っている。従来の探索エリアであれば、初代『メトロイドプライム』以来培ってきた開発ツールやノウハウを応用しやすい。一方でソルバレイは、そうした延長線上にある場所ではないという。氏は、シリーズになかった地形システムが必要になる点を挙げ、従来のゲームにまったく異なる仕組みを追加することの大きさを、「ダンジョン中心の『ゼルダの伝説』に、『風のタクト』の大海原を加えるようなもの」とたとえている。

海外メディアVGCが報じた発言によれば、氏が特に問題視しているのは、専用技術の開発がほかの制作作業と真正面から競合することだ。新しい仕組みを作るために人員と時間を割けば、そのぶん別のエリアや要素に使える余力は減る。しかも、砂漠に合わせて作られた地形システムや、そこに登場する数種類の敵AIは、ほかの場面で再利用しにくい。Mathews氏は、こうした専用システムへの開発資源の投入を無駄だったと批判している。

氏の懸念は、単に作業効率の話にとどまらない。シリーズに前例のないバイク移動は、どのようにすれば面白くなるのか、そこに到達するまでどれほどの開発期間が必要なのかを見通しにくい。既存の敵や探索型エリアであれば、過去作の経験から必要な工数や期間をある程度見積もれる。しかし新規システムでは、その見積もり自体が難しい。Mathews氏は、そうした不確実性の高い要素について、開発上のリスクをどう評価し、制作スケジュールに組み込むのかという点にも疑問を呈している。

もっとも、開発側にもソルバレイとヴァイオラを導入した理由はある。任天堂の開発チームは2025年12月のファミ通インタビューで、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の影響もあってか、オープンワールド的な『メトロイド』を求める声があったと説明している。ただし、『メトロイド』シリーズは能力獲得によって行動範囲を広げていく構造が核にあるため、全面的なオープンワールド化とは噛み合いにくい。そこで各探索エリアのあいだをつなぐハブとして、自由に移動できるソルバレイが設けられたという。

ヴァイオラの採用も、その設計と地続きだ。広いエリアを徒歩で移動させると負担になりやすいため、高速で、見た目にも映える移動手段としてバイクが選ばれた。Retro Studiosのプログラマーとゲームデザイナーが操作感を調整し、マップ制作チームも走行の気持ちよさが出るよう起伏ある地形を整えた。開発側は、この移動パートを通じて探索の緊張をいったん緩め、ゲーム全体のペースに変化をつけようと考えていた。

ただMathews氏は、まさにそのゲームデザイン上の意義にも首をかしげる。氏の考えでは、『メトロイドプライム』における緩急は、戦闘から離れて探索に集中する時間そのものが担ってきた。あえて専用の高速移動パートを設けなくても、シリーズはもともと緩急を生む仕組みを持っていたという見方だ。ソルバレイについても、移動しているあいだに面白い出来事が起きていないと批判している。

さらに氏は、仮に砂漠エリアの導入にロード時間を短縮する狙いがあったとしても、砂漠から各探索エリアへ向かう際には結局、扉やトラムを介することになるため、合理的な設計には見えないとも述べている。

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