『バイオハザード7 レジデント イービル』の初期開発では、レオン・S・ケネディをさらに登場させ、アンブレラとのつながりを強める構想があった。さらに、レベッカ・チェンバース、ジル・バレンタイン、ハンクの起用案も浮上していたという。
この開発秘話を明かしたのは、元カプコン関係者のミゲル・コーティ(Miguel E. Corti)氏。かつて同社のローカライズグループ長を務め、『バイオハザード7』の物語制作にも関わった人物だ。同氏はBlueskyへの一連の投稿で、完成版とは大きく異なる初期構想と、開発が全面的にやり直されるまでの経緯を振り返っている。
当時、カプコン上層部は『バイオハザード6』の商業的な成功に満足していた一方、開発者たちは他作品が獲得していたような高い批評的評価を求めていたという。特に影響を受けていたのが『The Last of Us』だった。初期の『バイオハザード7』では、同作にならって物語を重視する方針が打ち出され、シリーズの既存設定や登場人物との結び付きをさらに強めようとしていた。
しかし、方向性はなかなか定まらなかった。レオンの登場やアンブレラとのつながりを増やす案に続き、レベッカ、ジル、ハンクの名前が次々と挙がるなど、開発は迷走。コーティ氏は「あまりに方向性がバラバラで、どのバージョンがどれなのか分からなくなった」と振り返っている。なお、これらのキャラクターをどのような役割で登場させる予定だったのか、各案がどこまで具体化していたのかは明らかにされていない。
転機となったのは、カプコン内部の組織再編だった。『バイオハザード』シリーズの開発が一つの部門に集約され、効率化を図る体制変更が行われた結果、『バイオハザード7』をゼロから作り直すよう指示が下された。
新たな開発チームが編成され、中西晃史氏がディレクターを務める体制へと移行。エグゼクティブプロデューサーも制作に深く関与することになった。そこで打ち出されたのが、シリーズをFPS(一人称視点)にするという提案だ。コーティ氏によれば、これはエグゼクティブプロデューサー自身のアイデアで、当時の『バイオハザード』にとって衝撃的なものだったという。
作品の方向性も大きく変わった。新しいディレクターが掲げたのは、アクション要素を抑えたサバイバルホラーへの原点回帰。コーティ氏は『バイオハザード6』のプロデューサーたちからも似た説明を聞いていたため、当初は懐疑的だったという。
だが、ディレクターが影響源として挙げたのは、2013年公開のホラー映画『死霊のはらわた』だった。新たな脚本家、ゲームエンジン、フォトスキャンによるリアルなキャラクター表現、VR対応なども取り入れられ、作品は初期構想から大きく姿を変えていった。
こうして完成した『バイオハザード7』では、レオンやジルといった歴代主人公ではなく、新キャラクターのイーサン・ウィンターズが主人公に採用された。2016年のカプコン公式開発者インタビューでも、当時の開発責任者だった竹内潤氏は、主人公を「完全な新キャラクターで、一般人」と説明していた。






















