任天堂の「ゼルダの伝説」シリーズプロデューサーを務める青沼英二氏が、Nintendo Switch 2向け『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のフルリメイクを決断した理由を明かした。シリーズ40周年を迎えるなか、青沼氏が期待していたのは、若い開発者たちが28年前の名作を自分たちなりに解釈し、作り直すことで得られる新たな気づきだった。
任天堂が公開した「開発者に訊きました」第24回で青沼氏は、現在の開発チームには比較的新しい「ゼルダ」作品しか経験していないメンバーも多いと説明。原作のゲーム構成や開発スタイルを知り、実際にフルリメイクとして再構築する経験が、今後のシリーズ開発における新たな発見につながるかもしれないと考え、「今こそ『時のオカリナ』をもう一度つくろうと決めました」と語っている。
もう一つの理由は、近年の「ゼルダ」に慣れたプレイヤーにも、かつての作品ならではの面白さを届けたいという思いだった。
青沼氏は、『ブレス オブ ザ ワイルド』のように自由な順序で冒険できる「ゼルダ」に慣れたプレイヤーにも、あらかじめ用意された冒険と物語を追いながら、プレイヤーの成長や物語への理解を積み重ねていく『時のオカリナ』ならではの面白さを体験してほしかったと説明している。
「もっと変えてくれてもいい」と考えていた青沼氏
興味深いのは、青沼氏が若い開発チームに対し、原作を忠実に再現するよう求めていたわけではないことだ。
青沼氏は、プロデューサーが最初から「こうあるべき」と語れば、開発者たちはその通りに作らなければならないと考えてしまうため、基本的には変えたいところを自由に変えてよいと思っていたという。
目指していたのは、開発者たち自身が『時のオカリナ』を自分たちのものとして捉え、独自の答えを出すことだった。共同プロデューサーの藤林秀麿氏も、原作から「変えるところ」と「変えないところ」を最初に整理するよう助言しながら、一歩引いた立場で開発を見守った。
その期待を受け、ディレクターの伍学偉氏らが導き出した基本方針は、「原作から見た目は変わっても、体験は変えない」というものだった。
『ブレス オブ ザ ワイルド』や『ティアーズ オブ ザ キングダム』とは異なる、箱庭的な世界構成と、そこに刻まれたプレイヤーそれぞれの思い出を大切にしながら、現代の技術で原作を再構築することを選んだという。
青沼氏自身は、開発当初「もっと変えてくれてもいいのに」と思っていた。しかし、完成した作品を見て、開発チームが想像以上に原作を大切にしていたことを実感したと振り返っている。





















