『ドラゴンクエスト』シリーズの生みの親・堀井雄二氏が、スクウェア・エニックスの公式インタビューで、モンスターの行動パターンや行動確率を数値化し、それぞれの性格や個性を表現するゲームデザインについて語った。
堀井氏によると、モンスターのパラメータは単に強さを決めるためのものではない。そのモンスターが何をするのか、どのくらいの確率で行動するのかを考え、キャラクター設定そのものを数字に置き換えているという。
その分かりやすい例が、攻撃を何度も外しながら、ときには痛恨の一撃を繰り出す「おおきづち」だ。インタビューでも話題に上ったこのモンスターは、SFC版『ドラゴンクエストV』では、単に命中率が低いわけではない。「ミス→ミス→痛恨の一撃」という行動が設定されており、同じグループの敵同士でその順番を共有する仕組みになっている。

この仕組みは、書籍『堀井雄二のドラゴンクエストのつくりかた』でも「回転D」という行動パターンとして説明されている。書籍ではおおきづち3匹のグループを例に、行動順が最初から始まる場合、1匹目と2匹目は空振りし、3匹目が痛恨の一撃を放つと紹介。個々の敵が独立して行動を選んでいるのではなく、グループ全体で一つの行動順を使っているのだ。
また、MPが足りないにもかかわらず強力な呪文を唱えようとする「ベビーサタン」も例に挙がった。イオナズンを唱えてもMP不足で失敗する姿は、公式コラボ商品のワンピースにもデザインされている。戦闘では何の成果も生まない行動が、モンスターを特徴づける振る舞いになっている。

一方、キラーマシンの2回攻撃のように、強力な行動も個性を形作る。堀井氏は、モンスターの行動には決まった順番で動くものや、複数の選択肢からランダムに選ぶもの、状況に応じて行動を変えるものがあると説明している。
書籍に掲載された「モンスターの行動パターン表」では、その選び方が8種類に分類されている。6つの行動候補をほぼ均等に選ぶ方式がある一方、特定の行動を256分の200という高い確率で選ぶ設定もある。同じ行動の候補を持っていても、選ぶ確率や順番が違えば、戦闘中に見せる姿も変わる。堀井氏は「数字だけでモンスターたちの性格がかなり変わってくるので、ここの設定は大事なんだ」と書籍で説明している。






















