『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』は、主人公から物語を考えたことで「魔王の影が薄かった」という。シリーズの生みの親である堀井雄二氏が、スクウェア・エニックスの公式インタビューで同作の制作を振り返った。
2026年10月30日に公開されたこのインタビューは、書籍『堀井雄二のドラゴンクエストのつくりかた』の発売を記念したもの。堀井氏は、RPGの物語を設計する際、最初に魔王を考えるという手法について質問を受けた。
堀井氏によれば、魔王から考えるのは物語を作りやすくするための一つの方法だという。魔王が何をしようとしているのかを先に決めれば、それに対して主人公がどう行動するかを組み立てやすくなる。何度も魔王を倒す物語を作ってきた中で、次はどのような魔王にするかを考えることが、物語作りの手がかりになったと説明した。
その一方で、作品によって作り方は異なるという。そこで例に挙げたのが『ドラクエV』だった。堀井氏は、同作について「親子三代で魔王を倒そう」という発想に触れたうえで、逆に主人公から作ったため「魔王の影が薄かった」と振り返り、「結婚イベントがメインになっちゃったんで」と笑い交じりに語っている。
『ドラクエV』は、主人公の少年時代から青年時代、そして父親になるまでを描いた作品だ。堀井氏は2017年の電ファミニコゲーマーのインタビューでも、その構想が生まれた経緯を詳しく説明している。
当時、『ドラクエIV』に続く作品で何を売りにするか悩んだ末、プレイヤーにゲームの中で真剣に悩んでもらうことを考え、結婚イベントを発想したという。さらに、魔王を倒すまでに親子三代を費やす物語を構想。世代ごとに登場人物が入れ替わる既存作品のような形ではつまらないと考え、一人の主人公が子どもから大人になり、親となって自分の子どもとともに戦う物語にした。
魔王の目的を起点に主人公の行動を考える方法と、主人公の人生を中心に物語を作った『ドラクエV』。堀井氏が語った「魔王の影が薄かった」という振り返りは、同作が魔王を起点とする手法とは異なる発想から生まれたことを示すエピソードとなっている。






















