「テトリス」をなぞらず反転した 米光一成氏が語る初代「ぷよぷよ」誕生の経緯

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4Gamerの「ぷよぷよ」35周年記念対談で、初代「ぷよぷよ」の生みの親である米光一成氏は、好きだった「テトリス」や「コラムス」に似せるのではなく、「テトリス」の背骨にあるソリッドなところを反転させる発想から初代作の方向を見つけたと振り返った。一方で、開発を進める中では、すべての要素を柔らかくするだけでは面白さにつながらず、最終的には操作感を分かりやすく整えたことで遊びやすくなったとも語っている。

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「反転」と「戻し」で生まれた初代「ぷよぷよ」

米光氏によると、初代「ぷよぷよ」の出発点には、アーケード版「テトリス」から受けた大きな衝撃があった。ただし、その影響は、そのまま真似をする方向には向かわなかった。米光氏は、「テトリス」も「コラムス」も好きだったからこそ、何番煎じのようなものにはしたくなかったと話している。そこで考えたのが、「テトリス」の背骨にあるソリッドなところをあえて封じ、反転させて別のゲームにするという発想だった。

対談では、その反転の中身も具体的に語られている。一直線にそろえて消すのではなく、縦方向で消えていくこと。硬いブロックではなく、柔らかいものが落ちてくること。そうした方向に振ることで、キャラクターが出てもよく、人と一緒に遊ぶ形にも広がると考えたという。さらに、コンパイルのRPG「魔導物語」に登場していた敵キャラクターの「ぷよぷよ」が、柔らかい存在としてその発想につながったと説明している。対談では、柔らかい存在、縦方向の消去、キャラクター性、対戦性が、こうした反転の発想の中で語られている。

ただ、米光氏の説明では、この考えがそのまま完成形になったわけではない。開発の初期には、落下の動きや回転したときの感触まで含めて、できるだけ多くの要素を柔らかくしようとしていたという。だが、その方向だけでは面白さにつながらず、試行錯誤が続いた。米光氏は、最初は何もかもソフトにしようとしていたが、実際にやってみると難しく、なかなか面白さにつながらなかったと振り返っている。

そこで見直されたのが、ゲーム全体の印象と、実際の遊びやすさを分けて考えることだった。米光氏は、人間の認知能力の面でも、フィールドの上ではソリッドな物のほうが認識しやすいとしたうえで、あらゆる要素を柔らかくするのではなく、操作感自体を分かりやすく整えたところ遊びやすくなったと語っている。柔らかい見た目やキャラクター性を持ちながら、実際に触る部分では把握しやすさを優先した。この修正を経て、初代「ぷよぷよ」の形が見えてきたという流れだ。

対談で語られているのは、「テトリス」と同じことをして勝とうとした話ではない。好きだった作品の良さを踏まえたうえで、似せないために反転させた。その一方で、何もかもを柔らかくしようとした部分は見直し、操作感は分かりやすさを優先して整えた。対談では、そうした判断の積み重ねが初代「ぷよぷよ」の成立過程として語られている。

出典

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