『ドラクエ』の「ちいさなメダル」は宝箱に入れるものがなくなって生まれた――堀井雄二氏が語る誕生の経緯

hori-yuji_261031

『ドラゴンクエスト』シリーズの生みの親・堀井雄二氏が、おなじみの収集アイテム「ちいさなメダル」を思いついた理由を語った。マップが広くなり、宝箱に入れるものがなくなってきたことが、そのきっかけだったという。

堀井氏は、10月30日に配信されたスクウェア・エニックスの公式番組「INSIDE SQUARE ENIX」で、書籍『堀井雄二のドラゴンクエストのつくりかた』の共同著者・塩崎剛三氏とともに、シリーズの制作秘話を語った。

その中で堀井氏は、『ドラゴンクエストVII』頃までモンスターのパラメータを一人で作成していたと説明。店の商品や価格、宝箱の中身も自ら決めており、セリフを書き終えてからのデータ作成には約2か月かかっていたと振り返った。

宝箱の中身については、プレイヤーがその場所にたどり着いたとき、何が入っていれば喜ぶかを考えながら配置していたという。

しかし、マップが次第に広くなるにつれ、宝箱に入れるものがなくなってきた。そこで堀井氏が思いついたのが「ちいさなメダル」だった。宝箱に入れることができ、見つけたプレイヤーへのちょっとした褒美にもなると考えたという。

一方、堀井氏は1989年の『ファミコン通信』に掲載された『ドラゴンクエストIV』開発者インタビューでも、メダルの誕生について別の側面から語っている。

同作では最終的に8人の仲間が集まるため、さらに多くの重要アイテムを集めさせるのは煩わしいと考えていた。しかし、従来作の紋章やオーブのように、何かを集める楽しさは残したかったという。

そこで考えたのが、コインを収集する仕組みだった。当初は「ゴールドコイン」と呼んでいたが、カジノのコインと紛らわしいため名称を再検討。そこで『ドラゴンクエストIII』で考えていた「ちいさなメダル」のアイデアを思い出し、その名前を採用したという。

宝箱に入れるアイテムを必要としていたという今回の話と、収集する楽しさを残そうとした当時の説明。堀井氏はそれぞれ異なる制作上の事情を語っており、長年親しまれてきた「ちいさなメダル」の発案と命名にまつわる経緯がうかがえる。

タイトルとURLをコピーしました