映画的恐怖を志向する異形の世界──アクションホラー『ILL』Mundfishと提携し本格開発へ

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異形の怪物が徘徊する崩壊した研究施設を舞台に、限られた資源と緊迫感あふれる戦闘を通じて生き延びる一人称視点のサバイバルホラー──それが『ILL』です。

骨や内臓が露出した異形のクリーチャー、限られた弾薬と緊張感あふれる戦闘、そして映画的な演出──『ILL』は没入型のサバイバルホラーとして、新たな恐怖体験を描こうとしています。ホラー映画とゲームの精鋭が手を組んだ本作は、Mundfish傘下の新レーベルとパブリッシング契約を締結し、開発体制も大幅に拡大。本格的な制作フェーズに突入しています。2025年6月7日に開催されたSummer Game Festでは、最新トレーラーも公開され、新要素やビジュアルの進化が一部明らかになりました。

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最新トレイラーで明かされた『ILL』の新たな姿

2025年6月7日に開催された「Summer Game Fest 2025」では、『ILL』の最新トレーラーが公開されました。1分30秒の映像では、血に染まった研究施設の内部や、暗闇に潜む異形のクリーチャー、そして不安定に点滅する照明などが緻密に描かれており、本作のホラー演出の方向性がより具体的に示されました。

特に注目すべきは、銃撃を受けて肉片が剥がれるようなリアルな部位破壊描写や、薄暗い通路で聞こえる不穏な物音を活用した音響演出です。これらは、Unreal Engine 5によるライティング技術とバイノーラルオーディオの組み合わせによって実現されたものと考えられます。

荒廃した空間に差し込む光や、反響する呻き声が、観る者の感覚をじわじわと侵食してくるような印象を与えており、単なる雰囲気紹介にとどまらず、本作のゲームプレイ体験そのものを想起させる内容となっていました。

グロテスクかつ戦略的──『ILL』の恐怖表現と戦闘構造

リアルで不気味なクリーチャーデザイン

『ILL』では、骨や内臓が露出した異形の怪物が登場します。これらのデザインは、『V/H/S/Beyond』や『ロングレッグス』などの映画に携わったホラーコンセプトアーティストたちによって制作されており、視覚的なインパクトが強い構成です。

加えて、部位破壊のシステムが導入されており、特定の四肢や臓器を狙うことで戦況に変化をもたらすことが可能です。これにより、単なるビジュアル表現にとどまらず、敵の行動パターンにも影響を与える仕組みが設計されています。

2025年6月公開の最新トレイラーでは、こうしたクリーチャーの姿や、戦闘時の動き、荒廃した研究施設内の環境描写が確認され、映像からはより不穏な印象を受ける可能性があります。

重く残忍なサバイバル戦闘

本作は弾薬などの物資が極端に限られており、無計画な銃撃は通用しません。敵と遭遇した際は状況に応じた判断が求められ、限られたリソースをどう使うかが重要になります。武器にも不具合やジャムの要素が組み込まれており、緊張感と恐怖のバランスを意識した演出が施されています。ちょっとした油断が命取りになる緊迫感は、ホラーゲーム好きにはたまらないかもしれません。

映像・音響による没入演出

ゲームエンジンにはUnreal Engine 5を採用。特にライティング技術「Lumen」によって、映画的かつダイナミックな明暗演出が行われ、緊張感を高めています。加えて、バイノーラルオーディオが導入され、視覚と聴覚の両面からプレイヤーを恐怖の空間へ引き込む設計が確認されています。

また、Naniteによる高精細なグラフィック描写も採用されており、視覚的なリアリティの強化にもつながっていると考えられます。

ホラーの専門家が挑む”自分たちのホラー”

映画・ゲーム双方の経験を背景に

開発チームTeam Cloutは、『Diablo II: Resurrected』や『Lords of the Fallen』などにも関わってきたアーティストが参加し、ホラー映画とゲーム制作の両方で豊富な経験を持つメンバーで構成されています。彼らはこれまで培ってきたビジュアルランゲージや世界構築の手法を本作に凝縮しています。

影響を受けた作品群

『ILL』のトーンを理解する手がかりとして、開発者は以下の5作品を挙げています:

  • 『遊星からの物体X』(変身とパラノイア)
  • 『サイレントヒル3』(継続的な不快感と恐怖)
  • 『関心領域』(音響による示唆的恐怖)
  • 『紅の笑み』(幻覚的精神崩壊)
  • 『Everywhere at the End of Time』(音の変質による終末感)

これらは単なるインスピレーションではなく、作品全体の構造や演出に対する根幹的な指針として反映されていると見られます。

Mundfishとの提携で開発加速──体制と今後の展望

パートナー選定と規模拡大

Mundfishとの提携により、Team Cloutは開発チームを8人から50人規模に拡大。開発初期には適切な人材の確保やプリプロダクション段階の整備に課題があったものの、現在はストーリードリブン型タイトルに特化した経験豊富なスタッフを揃え、安定した開発体制を確保しています。

この提携は単なる資金援助にとどまらず、Mundfishの持つ技術支援や制作ノウハウの共有、リソースの提供といった包括的な支援を含む協力関係であると報じられています。

現在の進行状況とリリース見通し

ゲームのシステム基盤やビジュアルスタイルはすでに確定しており、現在は制作本番段階にあります。今後はストーリー重視のタイトルにおいて重要な要素であるカットシーン制作に入る予定とのことです。リリース時期については未定ですが、開発者は「品質が確信できた段階で発表する」と述べています。待ち遠しいですが、完成度の高さを優先する姿勢は頼もしく感じられます。

スクリーンショット

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