『Call of Duty: Modern Warfare』シリーズの象徴的存在といえば、やはりプライス大尉だろう。そんな彼について、Infinity Wardの開発者は4Gamer.netのインタビューで「そういう意味では,彼はもう141部隊の一部ではなくなったと言えるでしょう」と語っている。
4Gamer.netはInfinity Wardのオフィスを訪れ、『Call of Duty: Modern Warfare 4』のキャンペーンについて、Narrative DirectorのJeff Negus氏とAssociate Design DirectorのAlex Norris氏に話を聞いた。インタビューでは、MWシリーズでこれまで足を踏み入れていない新しい場所としての韓国と、見慣れた存在であるはずのプライスが今作でどのような立場にあるのかが語られている。
なお『Call of Duty: Modern Warfare 4』はInfinity Wardが開発を手がけ、PC / PS5 / Xbox Series X|S / Nintendo Switch 2向けに2026年10月23日に発売予定だ。
そしてプライスは、「141部隊の一部ではなくなったと言える」
本作のキャンペーンは、プライス大尉だけを追う構成ではない。プライスの別の体験と並んで、韓国の一般兵が自国と自分自身の生存のために戦う視点が据えられている。
まずプライスについて、Alex Norris氏は「そういう意味では,彼はもう141部隊の一部ではなくなったと言えるでしょう」と語る。一方で、プライスは別の体験をすることになるという。
その背景についてJeff Negus氏は、2019年の『Modern Warfare』でプライスが口にした「必要なところに線引きをするんだ。俺たちが汚れ役になれば,世界は綺麗なままさ」という言葉に言及。この考え方は複数作品を通じて試され続けてきたといい、『MW3』のラストで彼が下した後戻りのできない決断が、その後の道筋を決定づけたとしている。
Negus氏によれば、プライスという人間そのものや信念が変わったわけではない。ただし、彼の進む先にはこれまでとは異なる目的があり、従来とは違う戦いが待っているという。
4Gamer.netは、トレイラー終盤でゴーストがプライスに対して「さまざまなルールを破った」と告げる場面にも触れている。Alex Norris氏はその後、プライスの別の体験として、クラブで人を殴り、拳銃で撃ち合う場面や、パリの公道で窓から身を乗り出して発砲する場面を挙げた。
韓国の一般兵が、自国と生き残るために戦う
もうひとつの視点となるのが、韓国側の兵士だ。Alex Norris氏によれば、こちらではプレイヤーは自国と自らの生存のために戦うことになるという。白兵戦や海兵隊的な任務が展開される一方、この視点では、シリーズでおなじみの精鋭部隊ではなく、徴兵制度で入隊した若い一般兵の目線から戦場が描かれる。
韓国を舞台に選んだ理由について、Jeff Negus氏は、シリーズとして世界規模の戦いを描くうえで、これまで足を踏み入れていない新しい場所であることが大きかったと説明している。さらに、専門家やコンサルタントの話を聞く中で、徴兵で入った若い一般兵の視点や、韓国で若者として過ごすことに興味を持ったという。
一方のAlex Norris氏は、事前調査の中で、海外にある米軍基地として最大規模のものが韓国に存在すると知り、「一触即発だな」と感じたと語っている。そうした緊張感のある状況は、物語の舞台として成立するだけでなく、白兵戦や装甲戦、航空支援といったゲームプレイ要素を盛り込むうえでも適していたようだ。
また、リサーチの進め方についても明かされている。4Gamer.netは、ゲーム中で北朝鮮の一部にも足を踏み入れるようだとしたうえで、その描写に向けてどのような調査を行ったのかを質問した。これに対し開発陣は、コンサルタントや事前調査に加え、YouTube上のドキュメンタリー、国外に出てきた人々の家屋の写真、韓国人の同僚からの助言などを参考にしたと説明している。
社内Slackには「韓国文化」チャンネルを新設し、不適切な表現がないか、セリフが自然かどうかを韓国人の同僚に質問していたという。さらに方言についても、韓国人らしい話し方と北朝鮮人らしい話し方の違いを細かく調整したそうだ。
「戦争は灰色だ」を、これまで以上に掘り下げる
ふたつの視点を並行して描く理由について、Jeff Negus氏は『Modern Warfare』シリーズの物語の核に「戦争は白黒ついていない灰色だ」という考え方があると説明している。今作では、この戦いを経験するキャラクターの多さを通じて、その考え方をこれまで以上に掘り下げているという。あわせて、フィクションの物語の中で「もし,戦争が本当に始まったとしたら?」と問いかけたとも語っている。
具体的な演出面にも言及があった。たとえば先述のクラブのシーンは、新機能「Brawler(格闘)」を基盤に構築されたもので、プライスがクラブ内を戦いながら進む場面が土台になっているという。さらに開発陣は、列車、カーチェイス、上陸作戦といった大作映画さながらのシーンについて、どこまでをプレイヤーに操作させ、どこをカットシーンとして見せるかを議論していると話している。




