『スプラトゥーン レイダース』、当初はタワーディフェンス風に試作。「スプラトゥーンらしくない」とガジェット中心へ転換

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『スプラトゥーン レイダース』は、開発初期の段階では、仕掛けを大量に配置して大群のシャケを迎え撃つ、タワーディフェンス風の試作が進められていたという。ただ、その方向性では、シリーズの持ち味である「キャラやインクとの一体感のある濃密なアクション」を活かせないとして、最終的にはプレイヤー自身の動きを広げるガジェット中心の設計へと切り替えられた。

この経緯は、任天堂が7月21日に公開した「開発者に訊きました」で明かされたもの。インタビューでは、本作のディレクターを務める伊藤氏と、プロデューサーの井上氏が、現在のゲーム内容にたどり着くまでの流れを語っている。

7月23日にNintendo Switch 2向けに発売される本作は、シリーズ共通の基本操作を活かしつつ、対戦ではなく、一人でじっくり遊べるように作られたスピンオフ作品だ。遊びの検証は、『スプラトゥーン3』のアップデートがひと段落した頃に始まった、「サーモンランの遊びを利用して、1人でとことん遊べるゲームがつくれないか」という試みから進められた。

当時は、次に作る「スプラトゥーン」をNintendo Switch 2向けにしようという話もあり、その性能を活かしてシャケの数を増やし、一人でシバきまくる「究極のワンオペ」ができるのではないかと、さまざまな検証を行っていたという。

もっとも、サーモンランに登場するシャケは、もともと4人で協力して倒すことを前提に作られている。そこで、一人でも対処できる形として最初に試されたのが、フィールドに多数の仕掛けを置き、それらとともに大勢のシャケを迎え撃つ遊びだった。

しかし伊藤氏によると、試作を突き詰めていくほど、プレイは多数の仕掛けで要塞を組み、あとは見守るだけになりがちだったという。その中で、「なんだかスプラトゥーンらしくないなあ」と感じたと振り返っている。

伊藤氏は、「スプラトゥーン」の長所として、敵と戦いながら地面を塗り、イカになって移動し、飛び移るといったさまざまなアクションを短時間で活発に行う点を挙げる。要塞を築いて敵を迎え撃つ遊びが中心になると、そうしたアクションの濃密さを活かせなくなってしまう。

井上氏も、対戦か一人用かを問わず、「キャラやインクとの一体感のある濃密なアクション」の手応えがあってこそ、「スプラトゥーンを遊んでいるぞ」という感覚につながると説明する。一方で、仕掛け中心だった初期の試作では、その感覚を実現できなかったと振り返った。

こうした気づきをきっかけに、開発チームは要塞で敵を迎え撃つ形から、プレイヤー自身が動いて敵を倒しに行く方向へ大きく舵を切ることになった。その過程で生まれたのが「ガジェット」だ。突進や大ジャンプ、設置したガジェットの上での浮遊といった要素によって、プレイヤーのアクションを広げる役割を担っている。

井上氏は、サーモンランの気持ちよさについて、頭で考えるのと同時に体が動き始めるような感覚にあると説明する。伊藤氏も、本作ではそうした「気持ちの良い忙しさ」を目指したと語っている。

完成版では、ブキとは別に2つのガジェットを装備できる。ガジェットは一度使うと一定時間使えなくなるため、1つのブキと2つのガジェットを代わるがわる使い、無駄な時間を減らしながら大量のシャケに対処していく設計になっている。

なお、試作段階では、サーモンランと同じように、倒したシャケから出る金イクラをコンテナへ持ち帰るルールも存在していた。案の中には、金イクラを自動で大量に運ぶベルトコンベアのようなものもあったという。

ただ、完成版では、ガジェットを使った濃密なアクションに集中できるよう、コンテナへの納品要素は省かれた。こうしたルールの調整に伴い、ガジェットも敵を倒すことに集中できるものへ絞り込まれている。一方で、プレイヤーが移動するきっかけは残した方が面白くなるとして、「金イクラを拾う」部分だけが残されている。

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