Techlandは、オープンワールドサバイバルホラー『Dying Light』が発売から10年を迎えたことを機に、長年にわたるサポートの一環として、グラフィックやサウンド面を大幅に強化する「Retouched Update」を2025年6月26日に配信すると発表しました。本作の10周年は2025年1月に祝われており、その際に本アップデートの開発方針も明かされていました。本アップデートはPC、PlayStation 4/5、Xbox One、Xbox Series X|S向けに無料提供されます。
『Dying Light』最新アップデートの全容
10年の蓄積を活かした“強化”、リマスターではない
TechlandのTymon Smektała氏(『Dying Light』フランチャイズディレクター)によれば、今回の「Retouched Update」は、フルリマスターではなく“改善”に重きを置いた内容と説明されています。10年間にわたり培った技術や知見を用い、元のゲームエンジン上で可能な限りの品質向上が図られています。
グラフィックの進化:テクスチャ・ライティング・PBRの刷新
開発チームは、環境テクスチャの解像度を手作業で向上させる作業を実施。特に木製パネルや金属製ハンガー壁といった資材に対し、物理ベースレンダリング(PBR)を活用した反射表現の改善が行われています。
また、ビジュアル面では以下の技術的強化が施されています:
- 最大LOD(レベル・オブ・ディテール)距離:260%から340%に拡張
- 8Kウルトラシャドウ品質:床・セメント壁などに立体感を付与
- ライティング最適化:多数の表面における光表現を刷新
これらは、より高性能なPCや次世代機ユーザーに向けた拡張オプションとなっており、設定次第でパフォーマンスと視覚表現のバランスが調整可能です。



音響面の強化:懐かしさと没入感を融合
オリジナルの作曲家Paweł Błaszczak氏がサウンドトラックの完全リマスターを担当。レトロなテープ録音を実際に行うことで、懐かしさとリアルな質感を再現したとのことです。
加えて、ゲーム全体に新規の環境音・楽曲が追加され、戦闘時のヒット音も大幅に強化。あらゆるアクションがより直感的かつ没入的に感じられるよう工夫されています。
旧世代機への対応とバランス維持
開発者によれば、本アップデートは旧世代機(PS4やXbox One)でも快適に動作するよう調整されており、システム要件は据え置きです。メモリ使用量の制限など、慎重なテストと最適化が行われたと説明されています。
背景と配信時期
本アップデートは、現在進行中の「Summer of Dying Light」キャンペーンの一環として実施されるものであり、新作『Dying Light: The Beast』の発売に先駆けての提供となります。これにより、新作に備えて『Dying Light』を再訪するには最適のタイミングとなります。
配信日は2025年6月26日。すべての『Dying Light』所有者が無料で利用可能です。