『GTA6』では「ビール1本を買うのに、冷蔵庫から取り出してレジまで運ぶべきか」まで議論。『RDR2』でも皮剥ぎのリアリティと所要時間を追求

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『グランド・セフト・オートVI』(GTA6)の開発では、店でビールを買う際に、冷蔵庫から商品を取り出してレジまで運び、手動で代金を支払うところまでプレイヤーに操作させるべきかという議論が交わされていた。自宅でサンドイッチを作るために、わざわざスーパーへ食材を買いに行かせる必要があるのかも検討されたという。Rockstar Gamesの開発陣が、リアルな世界を再現するための細かな操作と、ゲームとしての楽しさをどう両立させるかに苦心していたことが明らかになった。

BloombergのJason Schreier記者によるRockstar開発陣への取材で、開発責任者のRob Nelson氏は、グラフィックやゲームシステムが精密になるほど、従来のゲームでは当たり前だった表現の省略が不自然に見えてしまう問題について語っている。

例えば、一般的なゲームなら、店でビールを購入するには商品を選んでボタンを押すだけで済む。しかし、『GTA6』ほど精密に描かれた世界では、何もないところから突然ビール瓶が主人公の手に現れると、違和感が生じてしまう。

そこでNelson氏ら開発責任者は、プレイヤー自身が店の冷蔵庫まで歩いてビールを取り出し、レジまで運んで代金を支払うべきなのかを議論した。さらに、そうした手順をどこまで増やすとゲームが面白くなくなってしまうのかも検討していたという。

同じ問題は食事にも及んだ。『GTA6』では、能力値を高めるサンドイッチを自宅で作る場合、材料をスーパーまで買いに行く必要があるのか、それとも自宅ですぐに調理できるようにすべきなのか。こうした判断を下さなければならない段階では、ゲームの多くがまだ完成しておらず、開発陣は実際の遊び心地を十分に確かめられないまま、見通しを立てる必要があった。

食料品の買い物については、実際に試作された仕組みもある。

Nelson氏は8月28日公開のファミ通による独占インタビューで、店で購入した食料品を自宅へ持ち帰り、冷蔵庫の在庫を補充できるシステムを開発中に試していたと明かしている。しかし、仕組みが複雑になりすぎたため、簡略化せざるを得なかったという。

その一方で、冷蔵庫を開けて軽食を取ったり、レストランで食事をしたりする行動には、単なるロールプレイ以上の意味を持たせたいとも説明している。食べ物にはキャラクターのゲージを強化する効果があり、例えばエナジードリンクを飲むとスタミナのゲージを強化できるという。

こうしたリアリティと遊びやすさのせめぎ合いは、Rockstarが『GTA6』に先立って手がけた『レッド・デッド・リデンプション2』(RDR2)の開発時にも取り組んでいた問題だ。

Nelson氏は2018年10月のThe Guardianのインタビューで、『RDR2』の動物の皮剥ぎについて説明している。同作では、鹿からリスまで動物の種類に応じた皮剥ぎアニメーションやモデルを制作し、剥いだ毛皮を拾って馬の背に積む動作まで表現した。それでもNelson氏は、リアリティを追求しすぎることには限度があると指摘。鹿の皮を剥ぐ様子を15秒も映像で見たい人はいないとして、どこで一線を引くかを見極めなければならないと語っていた。

同年12月のGamesBeatのインタビューでは、その判断をさらに詳しく説明している。

開発陣は、皮剥ぎのたびに専用の短い演出へ画面を切り替えるのではなく、通常のゲーム画面のまま動作を描き、プレイヤーがその世界にいる感覚を途切れさせないことを目指していた。ただし、そのために長い時間待たされるのも望ましくない。Nelson氏は、リアルに感じられる範囲を保ちながら、皮剥ぎにかかる時間をできる限り短くしようとしたと明かしている。

『RDR2』では、皮剥ぎのリアリティを保ちながら、どこまで動作を短縮できるか。『GTA6』では、ビールを買うためにどこまでプレイヤー自身の操作を求めるべきか。8年を隔てた二つの開発者インタビューには、同じNelson氏が、それぞれの作品でリアリティをどこまで追求するか検討してきた具体的な事例が残されている。

なお、今回Bloombergが伝えたビールの購入やサンドイッチの調理について、議論された個々の操作が最終的にどのような仕様になったのかは明らかにされていない。

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