『UNDERTALE』と『DELTARUNE』の生みの親、Toby Fox氏が2026年3月29日、Blueskyへの投稿で日本語以外の公式翻訳が存在しない理由を説明した。Fox氏は「公式にリリースするなら自分のビジョンに合致させたい」と述べ、日本語版だけがその条件を満たした唯一の例だとしている。日本語版の翻訳プロセスには、その「ビジョンの一致」を裏付ける具体的なエピソードが残っている。
Fox氏が求める「ビジョンの一致」——日本語版が唯一の成功例
Fox氏はBlueskyでこう述べた。
「公式にリリースするものであれば、自分のビジョンに合致させたい」 ——Toby Fox、Bluesky投稿より
日本語版でこれが実現できたのは、Fox氏自身が日本語を理解し、翻訳者と緊密に協力してテキストを確認できたからだと説明している。Fox氏の言う「ビジョンの一致」とは、翻訳された文章を自分で読み、細部の判断に関与できる状態を指す。
一人称「オレ」はFox氏のアイデアだった——翻訳プロセスの具体
Fox氏は今回のBluesky投稿で「ビジョンの一致」の具体的な中身までは踏み込んでいない。ただし、日本語版『UNDERTALE』の翻訳プロセスには別の証言がある。
2017年の4Gamerのインタビューで、メイン翻訳者の福市恵子氏はFox氏が翻訳開始前にものすごく詳細な資料を用意したと述べた。キャラクターの性格、固有名詞の訳し方、重要な台詞への注釈が10行に1回くらいの割合で入っていたという。同インタビューでは、Fox氏とハチノヨン(8-4)がSNSで常時つながり、翻訳者の質問にその日のうちに回答する体制だったことも語られている。
さらに、『DELTARUNE』のスージィの一人称「オレ」はFox氏自身のアイデアだった。福市氏によれば、Fox氏から一人称をオレにしたいと相談を受けたが、ドット絵なので男の子だと思われるリスクを指摘したという。一人称の選択にまで自ら関与する——Fox氏の言う「ビジョンの一致」とは、こうした水準の関与を指すとみられる。
「他国への恨みではない」——ハチノヨンとの検討と非公式翻訳
翻訳未対応をめぐっては、一部のコミュニティからゼノフォビア(外国人嫌悪)の非難が上がっていた。これに対しFox氏は明確に否定した。
「これは他の国々に恨みがあるからではない、ということをはっきりさせたい」 ——Toby Fox、Bluesky投稿より
Fox氏と出版社ハチノヨンは最近、翻訳の選択肢を検討しているが、まだ何も実現していないとのことだ。一方で、PC上の非公式翻訳の存在は歓迎しているものの、公式翻訳には自身の確認が必要だとの考えだ。
ラテンアメリカを中心に高まっていた不満
Fox氏の今回の発言は、ゲーム『OFF』の日本語版に関するXポストへのファンの反応がきっかけだった。投稿がない期間が続くなか、ラテンアメリカのコミュニティを中心に翻訳未対応への不満が高まっていたとEurogamerは伝えている。Fox氏は2026年3月29日、Blueskyでまとまった説明を投稿した。
※本記事はEurogamerの報道をもとに、関連情報を加えて再構成しています
出典
- Eurogamer:“If I release something official, I want it to match my vision” – Undertale and Deltarune creator Toby Fox explains why no translations other than Japanese have happened
- Toby Fox(Bluesky):A message for my fans in Latin America
- Automaton:Undertale and Deltarune creator Toby Fox addresses lack of official translations other than Japanese and English
- 4Gamer:「UNDERTALE」のローカライズ担当スタッフにインタビュー。日本語版はToby Fox氏と一緒に作り上げた夢のようなプロジェクトだった
- 福市恵子氏(X):スージィはバリバリの不良口調にしたかったので…



