『Phantom Blade Zero』(ファントムブレイドゼロ)のクリエイターで、S-GameのCEOでもあるQiwei Liang氏(通称Soulframe氏)が、公式Xで同作の世界観について語っている。Eurogamerもその内容を取り上げた。テーマは”Kungfupunk”(カンフーパンク)と呼ばれる視覚アイデンティティの作り方。今回見えてきたのは、カンフーパンクが単なる雰囲気の呼び名ではないということだ。中国各地の実在風景を取り込み、組み直して作る視覚設計だという。
“カンフーパンク”は実在風景を組み直して作る
Qiwei Liang氏によると、カンフーパンクの核は中国各地のロケーションを現地でスキャンする工程にある。それらを予想外の形で組み合わせるのだ。対象として挙げられているのは、福建の祠堂、浙江の古い町並み、北京の旧製鉄工場などだ。氏は公式Xでこう説明している。
私たちはこれらの場所をスキャンし、予想外の組み合わせで再構成することで、本当に独自のものを作り上げた。それが、自分たちが作り、定義した視覚アイデンティティである”Kungfupunk”だ ——Qiwei Liang氏(公式Xより)
現実の風景をそのまま写すのではなく、異なる土地の要素を組み直して一つの画面に載せる。S-Gameは、そうして組み上げた視覚アイデンティティを“カンフーパンク”と定義している。
マップや武器にも人の手による工程が入っている
この方針は背景づくりだけにとどまらない。ゲーム内マップは、中央美術学院・中国画学部の若いアーティストが中国筆と宣紙(中国の伝統的な書画用紙)を使って手描きしたものだという。Qiwei Liang氏の説明では、AI生成でもデジタル絵画でもない。
武器づくりも同じ方向にある。S-Gameは、中国の伝統武器をもとにした実物レプリカを刀鍛冶に鍛造してもらった。重さや長さが動きにどう影響するかを確かめたうえで、モーションキャプチャーに使ったとしている。さらに、戦闘モーションの収録には20人以上の武術家が参加した。峨眉山の剣術家や広東の獅子舞の達人といった伝統武術の継承者にも相談したという。
生成AI不使用の表明も、この制作方針と並んでいる
S-Gameは今回、生成AIの映像技術を使わないとも表明している。氏によると、ゲーム内のすべてのコンテンツは実在のアーティストの手で作られてきた。そのうえで、アーティストの独自の創造的意図を変えうるAI映像技術は使わないとしている。
その考え方は、次の言葉にも表れている。
人間の芸術性は、価値を生み出すための手段にとどまらない。それ自体が価値だと、私たちは固く信じている ——Qiwei Liang氏(公式Xより)
ロケーションの採取、手描きのマップ、鍛造した武器、武術家によるモーションキャプチャー。こうした工程を見ると、S-Gameが人の手で積み上げる作り方を重視していることが見えてくる。
発売は2026年9月9日を予定している
『Phantom Blade Zero』は現在、開発の最終段階にあるという。対応プラットフォームはPS5とPCで、PC版はSteamとEpic Games Storeで展開される予定だ。キャラクターモデルはキャストの3Dスキャンをもとに構築されている。音声は中国語と英語の2言語で収録される。どちらの言語でもフルリップシンクに対応するとしている。
出典
Phantom Blade Zero 公式X:Soulframe / S-GAME CEO投稿



