初代『ロマサガ』のマップデータはわずか数十バイト。円や四角形を描く「コマンド圧縮」で容量を節約していた開発秘話

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初代『ロマンシング サ・ガ』のフィールドマップは、円や四角形などを描く命令を組み合わせることで、一画面分のデータがわずか数十バイトに収まることもあったという。マップエディタを開発した小久保啓三氏が、その仕組みを自身のnoteで明かしている。

当時のゲームでは、16×16のパネルを敷き詰めてマップを作るのが一般的だった。しかし『ロマサガ』では、線を引く、四角形を塗りつぶす、円を描くといった「描画コマンド」を保存する方法を採用。完成した画像そのものではなく、描き方を記録することで、データ量を大幅に減らしていた。

小久保氏によれば、この手法は「コマンド圧縮」と呼ばれるもの。マップデータは多くても百数バイトで、本人も「これで一画面?」と驚いたほどだった。小久保氏は、Appleの描画技術「QuickDraw」も大いに参考にしてマップエディタと描画モジュールを制作したと説明している。

実際に『ロマサガ』のマップ制作を担当した北瀬佳範氏も、ファミ通の『聖剣伝説』35周年インタビューで、この方式をデータ効率に優れた手法と評価している。ただし、マップを描く側にも技術が必要で、円を描き終えた位置から次の図形を描き始めるなど、容量をさらに節約する工夫が求められたという。

田中弘道氏によれば、この仕組みは『サ・ガ2 秘宝伝説』でも使われていた。ゲームボーイではそれでよかったものの、スーパーファミコン時代には『FF』や『聖剣伝説』がモード7などを使い、華やかなグラフィックを実現していた。北瀬氏は、そんな中で『ロマサガ』では四角を描いていたと笑い、容量節約のために頭を使ったものの、その努力が報われたとは言い難いビジュアルだったと振り返っている。

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