ディスク版生産終了への反発が続くなか、海外のPlayStationユーザーのもとに「PlayStation Terms – Copy for your records」と題したメールが届いた。同梱されたSoftware EULA(ソフトウェア使用許諾契約書)に、「本ソフトウェアは、お客様にライセンスされるものであり、販売されるものではありません」と明記されていたことが注目を集めている。海外メディアPlayStation LifeStyleが報じたもので、同メディアのシニアエディターZarmena Khan氏にも届いたという。最近同意した規約のコピーを、後から参照できるよう送られたものだ。
SIEは2026年7月、2028年1月以降にPlayStation向けとして発売されるすべての新作ゲームについて、ディスク版の生産を終了すると発表した。PlayStation Storeでも販売店でも、新作はダウンロード版のみの提供となる。これを受けて、ゲーム保存団体DoesItPlay?などは8月23日から30日まで、PlayStationへのログインやプレイ、購入を控える「#PSBlackout」を呼びかけている。PlayStation LifeStyleは、こうした反発が続くなかでメールが届いたことがユーザーの反応を強めたと伝えている。
この文言を含むSoftware EULAが日本で新設されたのは、2026年4月23日のことだ。SIEは「ゲームソフトウェアの使用に関する規定を明確化するため」として「PlayStationソフトウェアアプリケーション使用許諾契約」を新設している。
もっとも、ソフトウェアやコンテンツの利用を所有権の移転ではなくライセンスとして扱う考え方そのものは、それ以前のPlayStation規約にもあった。現在のSoftware EULAにある「販売ではなくライセンス」という文言そのものの初出時点までは確認できていないが、2023年12月版のPSN利用規約は、オンラインサービス上のコンテンツを個人的・非営利目的で利用するためにライセンスするものと規定し、「購入」「販売」「売る」「買う」といった表現も、知的財産権や所有権の譲渡・移転を意味しないと定めている。
同種の規定はPlayStationに限らない。任天堂はNintendo Switch利用規約で、ソフトウェアが「使用許諾されるもの」だと明記。MicrosoftはXboxを含むデジタル商品を「販売ではなくライセンス」と規定し、ValveもSteamのコンテンツについて同様に定めている。
つまり、反発を受けて後から書き足された規定ではない。4月に新設されたのはSoftware EULAという独立した文書であり、ライセンスとして扱う考え方自体はそれ以前からPlayStation規約に存在していた。
規約メールについては8月18日の受信報告が確認され、22日にはX上でも取り上げられた。いずれもユーザー投稿を起点とする情報で、SIEはメールの配信対象や、この時期に送付した理由を公表していない。
ライセンスという位置づけは、実際の利用条件にも表れている。SIEの日本向け利用停止に関するサポートによれば、PlayStation本体が「コンソールの利用停止」となった場合、その本体からアカウントにアクセスできなくなり、オンライン接続を必要とするゲームやゲームモード、PlayStation Storeで購入したコンテンツにもアクセスできなくなる。
物理ディスクについては、SIEのPS4向けサポートにオフライン利用についての説明もある。ディスク版のPS4ゲームはネットワーク環境がなくてもプレイできるとされているが、オンライン専用タイトルは対象外で、アップデートしなければ利用できない機能を持つ作品もある。
サービスの側から止まることもある。Software EULAは、オンラインサーバーを利用するゲームについて、SIEがオンライン機能やネットワークサービスを終了する場合があると定めている。ゲーム内通貨やアイテムなどのバーチャルコンテンツについても、現金で購入したものかゲーム内で獲得したものかを問わず、所有物ではなくライセンスされたものとされる。関連アカウントの閉鎖・停止や対象コンテンツの廃止といった条件のもと、SIEはそのアクセスを終了できる。




