『ゼルダの伝説 時のオカリナ』では、リンクが乗る動物として馬ではなくユニコーンやヘラジカにしようという案もあった。最終的に宮本茂氏は「馬でいこう」と決断したが、その判断には宮崎駿監督の映画『もののけ姫』の影響があったという。さらに、ほぼ同時期に制作が進んでいた両作品は、出来上がってみると「素材がびっくりするほど似通ってた」と1999年に振り返っている。
「馬でいこう」に『もののけ姫』の影響
宮本氏がこの開発秘話を明かしていたのは、ゲーム誌「げーむじん」1999年2月号のインタビューだ。
馬については開発スタッフの間で、ユニコーンやヘラジカにしようという案も出て議論になったという。その末に宮本氏は「馬でいこう」と決断し、「これには宮崎さんの『もののけ姫』が影響している」と語っている。ただし、『もののけ姫』の何が「馬でいこう」という判断に影響したのかまでは説明していない。
一方、宮本氏自身が馬に強い思いを持っていたことは、後年の発言からも分かる。2011年の任天堂公式「社長が訊く『ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D』」では、西部劇の影響を強く受けて育ち、子どもの頃から馬が好きだったと話したうえで、『時のオカリナ』では「どうしても馬に乗れるようにしたかった」と振り返っている。
「それ『アシタカ』と『ディダラボッチ』じゃん」
1999年のインタビューで宮本氏が続けて語ったのが、『時のオカリナ』と『もののけ姫』の思わぬ重なりだった。
両作品はほぼ同時期に制作が進んでいたにもかかわらず、出来上がってみると「素材がびっくりするほど似通ってた」という。具体例として挙げたのは、リンクが馬に乗りながら弓を射るシーンと、巨大ゴロンが山を背景に歩くシーンだ。これらを考えていたところ、「それ『アシタカ』と『ディダラボッチ』じゃんということになっちゃって、ホントまいりました」と振り返っている。
「ハイラルという国をしっかり作り上げる」
そして宮本氏は、この話の直後に「そんなワケで、今回はハイラルという国をしっかり作り上げることにした」と続けている。
宮本氏にとって3Dとは、単にバーチャルリアリティを実現することではなく「世界を作る」ことだったという。自身の言葉では「箱庭」であり、「そういう国が実際にある」とプレイヤーが錯覚するほどリアルな場所を作ること。それをアミューズメントパークになぞらえて説明している。
何度もディズニーランドへ遊びに行くうちに、その中の地図を自然と覚えていくように、プレイヤーにもハイラルの地図を覚えてもらえたら――宮本氏は『時のオカリナ』完成直後、そんな世界づくりを語っていた。






















