『Vampire Survivors』開発元Poncleは、日本とイタリアに拠点を広げようとしている。
ただし、Matteo Sapio氏がThe Game Businessのインタビューで説明したのは、規模を大きくするための拡大ではなかった。小規模チームを束ねる「連邦型スタジオ」として広がり、AAA/AA規模の巨大化を避けながら複数案件でバランスを取る。今回の発言からは、そんな拡大方針が見えてくる。
Poncleが描くのは、5〜15人の小チームを束ねる連邦型スタジオ
Sapio氏は、新拠点の構想について「巨大なリモートスタジオ」を作るつもりはないと説明し、Poncleの組織像を「スタジオの連邦(federation of studios)」にたとえた。
想定しているのは、5人、10人、15人規模の小さなチームが、それぞれ別の案件に取り組む形だという。各チームにはデザイナーやプロデューサーを置き、機動力と柔軟さを保つ。この体制によって、Poncleはインディーらしい自由さや、アイデアに対してリスクを取る姿勢を維持したい考えを示した。
AAA/AA化を避ける判断と、複数案件でリスクをならす考え
この組織設計とつながっているのが、Sapio氏の「AAA/AA規模にはなりたくない」という説明だ。
同氏は、Poncleはコスト効率を重視し、無駄なリスクは取らず、人に投資すると述べている。そのうえで、複数の案件を並行して進めることで、うまくいくものとそうでないもののバランスを取れると説明した。
なお、インタビュー内で言及された「15のプロジェクト」は、すべてが新作ゲームを意味するわけではない。Poncle側はその後、『Vampire Survivors』本体に加え、DLCや無料アップデートなども含む数字だと補足しており、The Game Businessの記事もこの訂正を反映している。
日本拠点も、同じ拡大方針の延長線上にある
日本拠点の話も、Sapio氏は同じ設計思想の延長線上で語っている。
同氏によると、日本企業の側からPoncleとの協業に関心が寄せられており、日本語で、日本の契約形式でやり取りできる現地拠点を持つことには実務上の効率があるという。あわせて、日本には独自の視点や創造性を持つ人材がいることや、日本IPと組める可能性にも触れた。
もっとも、これは日本IP展開が決まったという話ではない。あくまで拠点設立の背景として、そうした可能性まで視野に入れていると説明した形だ。
Sapio氏の説明を通して見えてくるのは、拠点数や案件数の大きさそのものではない。
Poncleは、小規模チームを束ねる組織の形と、AAA/AA規模の巨大化を避ける考え方、さらに複数案件でバランスを取る運用をまとめて語っていた。今回の拠点新設は、そうした方針の一部として位置づけられている。



