Switch 2向けに16GB/32GBカートリッジ導入の噂　キーカードを巡る状況は変わるのか

画像出典：任天堂

2025.12.18

任天堂がNintendo Switch 2向けに16GBおよび32GBカートリッジを今後導入するのではないかとの噂がX上で拡散しており、海外メディアが紹介しています。現在は64GBが通常カートリッジの容量とされており、小規模パブリッシャーがキーカードを選ぶ背景の一つになっているとの見方があります。

16GB/32GBカートリッジ導入の噂、3情報源が報告

キーカードはSwitch 2で最も議論されているトピックの一つです。ゲームデータ自体は収録されておらず、カードが”キー”として機能する物理パッケージで、初回起動時のみインターネット接続が必要です。ダウンロード後はカードを挿入すればオフラインでもプレイできます。

海外メディアNintendo Lifeによれば、任天堂が安価な小容量カートリッジを提供していないことが、多くのスタジオがキーカードを選ぶ理由だと見られています。一方、The Vergeの取材に対し、Nintendo of AmericaのDoug Bowser社長は「サイズが大きく、通常のカートリッジでは対応しきれない可能性があるゲームを小売店舗で販売するため」と説明しています。

今回の噂を報告しているのは、2019年から活動するゲーム保存コミュニティ「Does It Play」、Xアカウント「Physical Paradise」、そして「Nintendeal」の3者です。Does It Playは主要ゲームメディアから情報源として引用されることもあるコミュニティで、Physical Paradiseは「2つの別ソースから情報を入手した」と主張しています。

噂の内容は「任天堂が16GBおよび32GBカートリッジを導入する」というもの。複数の情報源が一致している点は注目に値します。ただし、いずれも公式発表に基づくものではありません。また、Does It Playは導入時期について「少なくとも今年（2025年）中ではない」と述べています。

仮にこの噂が事実であれば、小規模開発者がキーカードに頼らずパッケージ版をリリースできる選択肢が広がります。

それでも価格は下がらない？

ただし、仮に噂が事実で小容量カートリッジが導入されたとしても、価格が下がる保証はありません。Nintendealは「材料費の高騰と半導体不足により、カートリッジの選択肢が増えても価格に直接影響するとは限らない」と指摘しています。

現状でも、カートリッジのコストはパブリッシャーにとって大きな負担です。ININ Gamesは12月17日、『R-Type Dimensions III』をキーカードで発売すると発表しました。同社はXへの投稿で「カートリッジに切り替えると製造コストが大幅に上昇し、小売価格が少なくとも15€上がる」と説明しています。

一方で、ININ Gamesは「カートリッジへの希望は捨てていない。あらゆる方法を模索している」とも述べています。新たなカートリッジオプションが登場すれば、こうしたパブリッシャーの選択肢も広がります。

なお、容量とは別に「速度」の問題も存在します。UbisoftでSnowdropエンジンのオーディオアーキテクトを務めるRob Bantin氏は、Blueskyへの投稿で『スター・ウォーズ無法者たち』がキーカードになった理由について「コストではなく、カートリッジの性能が求める品質基準に達しなかったため」と説明しています。容量の選択肢が増えてもこの問題は解決しませんが、データ読み込みの負荷が軽いタイトルには有効な選択肢となりそうです。

この噂が事実であれば、Switch 2のパッケージ事情に変化が生じる可能性があります。