『STRANGER THAN HEAVEN』の印象的なビジュアルは、思わぬアクシデントをきっかけに生まれた。GAME Watchのインタビューで、本作のアートディレクター・加那屋大志氏が、その経緯を語っている。発端になったのは、横山昌義氏へのプレゼン中に起きた“画面が真緑になるバグ”だったという。
加那屋氏は当時、「すみません、画面がバグっているんですが」と伝えたそうだ。しかし横山氏から返ってきたのは、「これ、よくない?」という意外な反応だった。加那屋氏自身も、最初は「えっ?」と思ったという。ただ、「横山が言うからには何かあるんだろう」と受け止め、そこから緑を活かした画作りを研究していくことになったとのこと。その試みが、現在のビジュアルにつながっていると説明している。
その後は当時の絵画や西洋画にもあたり、表現の方向性を探っていった。古い絵葉書に見られる、緑や青、赤といった限られた色数で構成された表現を参考にしつつ、ゲームでも同じような見せ方ができないかを検討。また、西洋画家たちが強い日差しの明るさを油絵でどう表現していたのかといった技法も、参考にしているという。
本作では、時代ごとに異なるビジュアルモチーフも取り入れているという。そうした要素を、最初の“バグから始まった絵”にブレンドしていく形だ。5つの時代すべてで強い統一感を出すことはあえて重視せず、時代をまたいだ瞬間に体験が大きく切り替わったと感じられるよう、かなり変化をつけているそうだ。阿部幹信ディレクターもまた、「コンマ1秒見ただけで、どの時代なのかわかる」ことをかなり意識しているとコメント。画面を見た瞬間に「あ、ここだ」と伝わるよう、各時代の違いがひと目でわかる作りを目指しているという。
偶然起きたバグを出発点に、研究と試行錯誤を重ねながら現在の画作りへとつなげていった『STRANGER THAN HEAVEN』。時代ごとに大胆に表情を変える本作のビジュアルは、そうした発想の転換と積み重ねの中から形になっていった。



