レベルファイブ日野社長はなぜ書かないのか 「固定化」を避け、最後に残る核だけを作品にする創作術

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レベルファイブの日野晃博氏が、Yahoo! JAPANに掲載された上野直彦氏によるインタビューの中で、自身の創作プロセスを語った。印象的なのは、設定を先に文章へ落とし込まず、頭の中で空想を反復しながら、最後まで残ったものを作品の核にしていくという考え方だ。「書くと固定化する」という感覚と、「忘れてもなお残るものだけを作品にする」という選別は、ひとつながりの判断として見えてくる。

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固定化を避けるために、書かない

日野氏の創作は、細かい設定を文章に起こすところから始まらない。入浴中や就寝前、散歩の最中に物語の場面を空想し、面白くなければ頭の中でゼロに戻してやり直す。繰り返すうちにキャラクターが動き始め、台詞や反応が浮かんでくるという。

日野氏はこの空想を文章にしない。「一回書いた時点でそれが固定化してしまいます」。書いた時点で形が固定される、という感覚があるためだ。文章にしていなければ忘れることもあるが、忘れた部分は別の空想が埋めていく。「結局、最後に忘れられないくらいの思いが強かったものが作品となるのです」。書いて形を固定するのではなく、頭の中で空想を反復しながら、最後まで残った要素を作品の核としていく。

忘れても残るものだけを、核とみなす

日野氏は「忘れてもよい」と言っているわけではない。忘れる危険を認めたうえで、それでも消えなかったものを核とみなしている。空想のたびに場面や展開は上書きされ、何度やり直しても頭から離れないものだけが最後に残る。忘れる危険を引き受けたうえで、それでも残るものだけが核になっていく。

なお、日野氏は同じインタビューの中で販売準備や情報設計にも触れており、制作全般を空想だけで進めているわけではない。

出典

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