『Thief』デザイナー、ゲームのグラフィックは2010年の『Alan Wake』で「もう十分だった」。「なぜもっと必要なのか」

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『Thief』『System Shock 2』『Dark Messiah: Might and Magic』などに携わったゲームデザイナーのRandy Smith Evergreen氏が、現在のゲームにおけるグラフィックの高忠実度化について、「2010年の『Alan Wake』で十分だった」とする考えを語っている。

PC GamerのインタビューでSmith Evergreen氏は、現在のグラフィックについて「忠実度の曲線はとんでもないことになった。スペクタクルになってしまった」と指摘。初代『Alan Wake』が発売された当時を振り返り、「これはかなりフォトリアルだ」と感じたという。

そのとき同氏が見ていたのは、『Alan Wake』序盤のフェリーで島へ向かう場面だった。「自分がフェリーにいることが100%分かる。太平洋岸北西部の島へ向かっているのも分かる」といい、作品の雰囲気も十分に伝わっていたことから、「なぜもっとグラフィックが必要なんだ? ものすごく金がかかるのに」と疑問を持ったという。

Smith Evergreen氏はさらに、「『Alan Wake』こそ、すべてが到達すべき忠実度だと思う」と発言。「分かった、雰囲気も分かった、何が起きているかも分かる」というところまで表現できれば、そこから先は「gravy(付加的なもの)」だとしている。

この考えは、同氏が長年携わってきたイマーシブシム(プレイヤーの自由な攻略や、システム同士の相互作用を重視するゲームジャンル)にも及ぶ。Arkane Lyon作品のような豪華な景観とスペクタクルを備えたイマーシブシムをプレイヤーが好むこと自体は認めつつ、「イマーシブシムを遊びに来た目的のために、それが必要なのか」と問いかけた。

Smith Evergreen氏は、イマーシブシムをより大規模にし、『Ghost of Tsushima』や『GTA 6』と並ぶAAA作品へ押し上げようとすれば、そのぶん投入する資金も増やさなければならないと指摘している。一方で、イマーシブシムを遊ぶプレイヤー層の規模を考えれば、そうした方向性そのものが市場を読み違えている可能性があるという。

少なくともグラフィックについて、Smith Evergreen氏が十分な基準として挙げたのは最新のAAA作品ではない。16年前に発売された初代『Alan Wake』であり、フェリーにいることも、向かう先も、その世界の空気も伝わった――それが同氏にとって「これ以上」が必須ではなくなった地点だった。

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