「ゲームよりメールの方が楽しそうで悔しかった」任天堂・宮本茂氏が振り返るDS時代の光景。15年前に語った発想と、今も追い求める面白さ

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2026年度の文化勲章受章者に選ばれた任天堂の宮本茂氏が、10月22日に行われた記者会見で、ニンテンドーDS時代に感じたある悔しさを振り返った。電車で携帯電話のメールを打つ人々が、ゲームを遊んでいる人よりも楽しそうに見えたというのだ。

宮本氏は、乗客がスマートフォンや従来型の携帯電話でメールを打つ姿を見て、「ゲーム遊んでいるよりも、メールを打っているほうが楽しそうや」と感じたことがあったと語った。そして、「つねに、ああいうものになりたいんです。もう、ゲームと呼べなくてもいいんじゃないですか」と、現在も変わらない思いを明かしている。

この体験については、約15年前にも具体的な発想が語られていた。

2011年1月19日に開催されたトークイベント「ものを作らなソンやと思わへん?」で、宮本氏は電車内で楽しそうに携帯メールをやり取りする若者たちを見て、自分で撮影した写真をその場で加工できれば、もっと楽しいのではないかと考えたことを明かしている。

その際、宮本氏は『マリオペイント』や『似顔絵チャンネル』などを、作ること自体の楽しさを提供するゲームとして紹介。さらに、写真加工の楽しさを含む一連の取り組みの中で、ニンテンドーDSi向けの『うごくメモ帳』にも言及していた。

宮本氏は、自分の作品を投稿し、それを見た人から反応をもらうことも楽しいと説明。2010年に実施された『スーパーマリオブラザーズ』25周年記念の『うごくメモ帳』コンテストには、1800通もの応募が集まったという。入選作の応募者の中には、普段は落書きを楽しんでいても、作品として何かを作ったのは初めてという人もいたそうだ。

『うごくメモ帳』は、タッチペンで描いた絵やDSiのカメラで撮影した写真を使い、パラパラ漫画を作れる無料ソフトだ。完成した作品はインターネット上に投稿でき、ほかの人の作品をダウンロードして編集し、再び投稿することも可能だった。

そして2026年。宮本氏の関心は、TikTokのような現代のデジタルメディアにも向けられている。

今回の会見では、TikTokを見続けることとゲームを遊ぶことは、あまり変わらないという考えを示した。ただし、ゲームには自分の操作に対して反応が返ってくるという特徴があると述べ、そうした双方向のやり取りをもっと上手に取り入れれば、さらに面白いものが生まれるのではないかと語っている。

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