8年前に発売され、ほとんど注目されなかった無料インディーゲーム『Crashphalt』に、今になって500件を超えるレビューが集まっている。しかし、その中身は『Crashphalt』ではなく、全く無関係の作品『Undertale』について語っているという謎めいた状況だ。この謎を解いたのは、開発者自身だった。
『Crashphalt』は、インディー開発者RetroSpecterが2018年に発売した無料の4人対戦プラットフォーマーだ。地面を叩いて衝撃波を起こし、相手をステージから弾き飛ばして戦う。RetroSpecterによれば「世界を驚かせるほどのヒットにはならなかった」が、ゲーム開発の一連の流れを学ぶ最初の一作となり、今も付き合いのある友人たちとの出会いにもつながった、思い出深い作品だという。
数ヶ月前、RetroSpecterが久しぶりにSteamストアページを覗いたところ、異変に気づいた。発売時は10件ほどだったレビューが、いつの間にか500件を超え、Steam上の評価は「圧倒的に好評」となっていたのだ。しかもレビューの大半は、『Crashphalt』の内容ではなく、『Undertale』への言及やジョークで埋め尽くされていた。
調べてみると、原因は『Undertale』の人気改造Mod『Undertale Together』だった。このModは、本来1人用の『Undertale』を2人で協力プレイできるようにするものだが、あくまでローカル協力プレイ用で、離れた場所にいる相手とは遊べない。

そこで一部のプレイヤーが目をつけたのが、Steamの「Remote Play」機能だ。これはあるゲームの画面を、そのゲームを持っていない相手にも配信して一緒に遊べるようにする機能で、『Undertale』自体はこの機能に対応していない。プレイヤーたちは、Remote Playに対応した別の無料ゲームのファイルをUndertaleのフォルダにコピーし、Remote Playを有効化するという方法を編み出した。そして、この手順に使うゲームとして選ばれたのが、無料でRemote Playに対応していた『Crashphalt』だったのだ。
「なぜCrashphaltが選ばれたのか、自分でもよく分からない」とRetroSpecterはReddit投稿で明かしている。「必要なのはRemote Playが有効なゲームというだけの条件で、無料であることも多分助けにはなっただろうけど、条件に合うゲームは他にもたくさんあったはず。Crashphaltはただ運良く選ばれただけだと思う」
『Undertale』の続編『デルタルーン』向けにも同様のModが登場しており、これによってCrashphaltの人気は再び上昇しているという。
「誰も自分のゲームを気にかけておらず、他のゲームをModするためだけに使われている」と指摘するSteamレビューに触れつつ、RetroSpecterは自身は気にしていないと語っている。現在は別のプロジェクトに取り組んでおり、『Crashphalt』が新たな形で「第二の人生」を送っていることを純粋に喜んでいるという。
「Undertaleが発売されたのは自分がゲーム開発を始めたのとちょうど同じ頃で、本当にインスピレーションを受けた」とRetroSpecterは綴る。「だから、たとえ小さな形であれ、UndertaleがCrashphaltを通じてコミュニティに影響を与え、友人同士が一緒に遊ぶきっかけになっているのは、すごくクールなことだと思う」
「Steamがこの使われ方を問題視しない限りは、みんなでサンズと戦いながら楽しんでほしい」




