『ドラクエ11』主人公、歴代で「いちばん難産」 鳥山明氏と「5~6回はキャッチボール」

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『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』の主人公は、鳥山明氏が手がけてきた歴代主人公の中でも「いちばん難産だった」という。堀井雄二氏がファミ通のインタビューでそう振り返っており、「5~6回はキャッチボールした記憶があります」とも語っている。主人公っぽさが足りない、モブっぽさがある、アクが強すぎる、あるいは足りない――そうした微妙なバランスを探っていたという。

堀井氏によると、鳥山氏は以前から「主人公がいちばん苦労する」と話していたという。作品ごとに堀井氏が主人公像を説明し、それをもとに鳥山氏が描き、イメージが違えばまた説明する。そうしたやり取りを重ねる中でも、とくに難航したのが『ドラクエ11』だった。

難しかったのは、単に格好いいデザインを作れば済む話ではないからだ。堀井氏は今回、調整のポイントとして「主人公っぽさが足りない」「モブっぽさがある」「アクが強すぎる」「アクが足りない」といった感覚的な部分を挙げている。主人公には、プレイヤーが好感を持てることや真っ直ぐな印象に加え、個性が強すぎも弱すぎもしない、ちょうどいいバランスが求められていたことになる。

実際、『ドラクエ11』発売前の2017年に公開された公式座談会でも、主人公デザインの試行錯誤は明かされていた。『ドラクエ11』では当初から「追われる勇者」という設定があり、鳥山氏はそのイメージから、一度は主人公をボロボロの姿で描いたという。しかし、この案はボツになった。鳥山氏自身も当時、「“追われる”という感覚が難しい」と振り返っている。

一方で堀井氏は、現在の主人公の絵について「2度目にあがってきた現在の絵がまさにイメージ通りでした」と説明していた。完成した主人公については、「ちょっと影があって、線が細くて芯が強い」とも評している。今回振り返った「5~6回のキャッチボール」を、そのまま完成イラストの描き直し回数とみることはできない。

また、同じ2017年の座談会では、そもそも『ドラゴンクエスト』の主人公を描くこと自体の難しさについても語られていた。鳥山氏は、シリーズ後期になるほど過去に描いたようなデザインを避けようとするため、後になればなるほど大変になると説明。さらに「“いいヤツ”のバリエーションは、もう『ドラクエ3』くらいで尽きていますね」とも話していた。

堀井氏も、主人公はプレイヤーの分身であるため個性を強くしすぎることはできない一方、格好よくなければならず、その格好よさ自体も過去作から変えていかなければならないと説明している。

今回明かされた「モブっぽさ」や「アクの強弱」という具体的な言葉から、『ドラクエ11』主人公のデザインがどこで難しかったのかが、これまでよりはっきりした。

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