『バイオ レクイエム』グレース、開発中は“レクイエム発砲後に転んで立ち上がれない”案もあった。「やりすぎ」でボツに

Biohazard-requiem-grace_260601

撃てる。撃てるけれど、上手くはない。『バイオハザード レクイエム』の主人公グレースは、シリーズでもめずらしい「戦闘に不慣れな主人公」として描かれている。ザ・ガールに追いかけられたときのパニック走り、怖い場面で荒くなる息遣い、ぎこちない体術、そしてレクイエム発砲後の手のしびれ。そうした細かな反応の積み重ねが、グレースを“怖がりの一般人”として印象づけている。
開発中には、その不慣れさをさらに押し出す案も検討されていた。レクイエムを撃った直後に転んで、そのまま立ち上がれない――そんな演技案に対しては、開発内で「やりすぎだろう」という意見も出たそうだ。

スポンサーリンク

発砲後に転んで立ち上がれない案もあった

グレースは、バリバリ戦えるタイプの主人公ではない。むしろ「戦闘に不慣れ」であること自体が、キャラクターの軸に据えられている。

その不慣れさをめぐって、開発中には別案も検討されていた。インタビューによると、グレースが銃「レクイエム」を撃った直後に転んで、そのまま立ち上がれない――そんな演技案も作られていたという。

ただ、この案は採用されなかった。開発内で「やりすぎだろう」という声が出たためだ。

一方で、レクイエムを撃ったあとのグレースには、手がしびれる動きが入れられている。発砲後の反応にも、グレースの戦闘への不慣れさが表れている。

レオンとの対比で見える、グレースの異色さ

そもそもグレースは、これまでの『バイオハザード』シリーズにはなかったタイプだ。開発側は、グレースを「怖がりの一般人」として作ったと説明している。

これがどれだけ異例かは、もう一人の主人公・レオンと並べるとわかりやすい。リードゲームデザイナーの深澤健司氏は、30年近くバイオテロと戦い続けてきたレオンと、戦闘に不慣れなグレースの対比を意識したと説明している。

レオンについては、成熟したプロフェッショナルであることを作り込む方針があり、田村装備開発の監修や、銃にこだわりのあるアニメーターの参加によってアクションが作られたという。

それに対してグレースには、「怖がりの一般人」としての動きや反応が重ねられている。レオンがプロフェッショナルとして作り込まれているぶん、グレースのぎこちなさや反応の違いも印象に残る。

不慣れさは、走り方から息遣いまでに出ている

では、どこが「不慣れ」なのか。挙げられているのは、ザ・ガールに追いかけられたときのパニック走り、怖い場面で荒くなる息遣い、そして怖がっている表情だ。従来作とは異なる、怖がりな反応を前面に出した表現が取り入れられている。

戦闘まわりも同様で、体術はぎこちない。前述のとおり、レクイエムを撃ったあとには手がしびれる動きも入れられている。走る、怯える、攻撃する、撃ったあとに反応する。そうした一連の挙動が、グレースのキャラクター性を支えている。

日本語版でグレースを演じるのは貫地谷しほりさん。プロデューサーの熊澤雅登氏は、怖がりなキャラクター性を象徴する息遣いや、ダメージを受けたときの声の細かな違いまで素敵に演じてくれた、と語っている。息遣いひとつにも、グレースらしさが表れている。

グレース編の怖さは、敵側の設計にも支えられている

もっとも、グレース編の怖さは、グレース自身の怖がりな演技だけで成り立っているわけではない。敵側の設計も、その恐怖を支えている。

象徴的なのが、地下チャプターの特徴として挙げられているザ・ガールだ。熊澤氏によれば、ザ・ガールはサイズを大きくすることで「後には引けない」ことを印象づける敵として、そしてどこから出てくるか「行動が予測できない」敵として設計されているという。

怖がりの主人公にこれをぶつけるのだから、相性はかなりいい。地下チャプターには、ほかにも「明かり」をつけるべきか否か、といったプレイヤーが考えながら進める要素も組み込まれ、濃密なゲーム体験につながるよう設計されているという。

なお深澤氏は、グレース編はホラーテイストながら、TPSモードも選べることでプレイヤーの間口を広げられたと説明している。グレースの怖がりな反応と、ザ・ガールの予測しにくい動きや圧力。グレース編の恐怖は、そうした複数の要素によって支えられている。

出典

タイトルとURLをコピーしました