『SILENT HILL』シリーズの開発では、各開発スタジオがシリーズを独自に分析した「バイブル」を持っており、KONAMI側でもユーザー調査や過去作品の分析をもとにバイブルを作成している。双方はそれらの資料を持ち寄り、作品ごとにどの要素を強調するか、どこにコストをかけるかを明確にしているという。
この開発工程は、CEDEC 2026で行われた講演「SILENT HILLのプロデュース術」で紹介された。登壇したのは、KONAMI第1制作部の統括プロデューサーである岡本基氏、『SILENT HILL 2』の開発と進行管理を担当した松尾泰樹氏、『SILENT HILL f』で台湾の開発スタジオとの制作進行を担当した杉本絢音氏だ。
各開発スタジオのバイブルには、作品のテーマをはじめ、ゲームのテンポやカットシーンの時間配分、象徴表現とメタファー、霧や裏世界のアート、登場人物の精神分析など、それぞれが『SILENT HILL』をどのように捉えたかがまとめられている。
一方、KONAMI側は、世界各地で実施したユーザー調査と過去作品の分析をもとに、シリーズに求められている要素を独自のバイブルへ落とし込んだ。開発スタジオ側の分析と照らし合わせることで、各作品で重視する要素を具体化している。
現在のKONAMI側の『SILENT HILL』チームは、岡本氏が2019年の入社後にゼロから集めた組織で、メンバーの半数は20代だ。過去のシリーズ作品に携わった経験者はおらず、過去作や近年のホラーゲームを研究しながら、海外の開発スタジオと作品制作を進めている。


